三ノ宮駅

 神戸に新しくできた「劇場型アクアリウム アトア」にお邪魔するするために、新幹線の新型車両N700S系を新大阪駅で途中下車して、JR神戸線「三ノ宮」駅を目指しました。2013年4月に、阪神電気鉄道「三宮」の駅名が「神戸三宮」に変わりました。「神戸の中心だと明確にするため」という理由です。神戸市中心部の駅名は阪急電鉄「神戸三宮」神戸市営地下鉄「三宮」神戸新交通ポートライナー「三宮」です。しかし、JR西日本だけは「三ノ宮」。JRだけカタカナの「ノ」が入るんです。いったいどうしてなんでしょうか?

▲三ノ宮駅前

 神戸は江戸時代まで小村で、明治初期に整備された外国人居留地を中心に発展した町です。幕末、米英など5カ国と修好通商条約を結んだ江戸幕府は兵庫、長崎など国内5港の開港を迫られました。兵庫港(現神戸市兵庫区)は平清盛が築いた「大輪田泊」で知られ、日宋・日明貿易や国内航路の主要港として栄えていたのです。しかし、開港したのは東に約4キロメートル離れた神戸港(現中央区)。その近くに居留地が造られました。企業などでつくる旧居留地連絡協議会によると、初代駐日英国大使は兵庫港近辺が「居留地の最適地」と伝えたとされるが、実際にできたのは神戸港に近い「砂地と畑」ばかりの神戸村でした。

 大阪―神戸に鉄道が開通したのが旧居留地建設から6年後の74年。現在の神戸駅に加えて、旧居留地の近くにも駅を造ることになりました。バス停風に言えば「居留地前」。本来はここが『神戸』になるべきだったのですが、すでに神戸駅は西側に決定済みです。当時、居留地付近の目印になっていたのが「三宮神社」だったため、神社が駅名の由来になったものです。では、なぜ「三ノ宮」と「ノ」が入ったのか?よその地から来る人には読み方が『さんみや』か『みつみや』か、よく分かりません。『さんのみや』と読んでもらうため『ノ』を入れたのでは、と推測されています。旧居留地は新しく造成されたため、当時まだ「三宮」という地名はありませんでした。現在の中央区三宮町は駅よりも後に付けられたものです。なじみのない駅名を正しく読めるように配慮したのでしょう。今日私が神戸で乗車した市内循環バス「ポートループ」の放送案内でも、全国に数多くある駅の中で、国鉄時代から「さんみや」ではなく、「さんのみや」と正しく読んでもらうためにあえて「ノ」を入れたという説明がアナウンスされていました。

 その後、太平洋戦争中の神戸大空襲で、兵庫駅周辺に広がる旧市街地は甚大な被害を受けました。市庁舎が1957年、現在の旧居留地東側に完成。三宮の発展に拍車がかかり、街の中心が西から東へ移ります。県名の兵庫駅でも、市名の神戸駅でもなく、三宮が中心市街地になっていきます。駅名を変えた阪神電鉄によると、県外から訪れた一部の乗客から「神戸中心部の最寄り駅が分かりにくい」との声が寄せられたといいます。駅と中心市街地が重なる東京駅名古屋駅などに比べ、どこで降りればいいかはっきりしない、とみられているようです。

 JR西日本は2007年、兵庫県西宮市の駅名を「西ノ宮」から「西宮」に変えました。地元から「市と同じ表記にしてほしい」と要望があったため、といいます。神戸市はこの「ノ」を駅名から除くようにJRに要望しています。2015年秋に策定された三宮周辺地区の再整備における基本構想のひとつに、各線の乗り換えについて利便性を向上させる、という点があります。その中で、JRの駅にだけついている「ノ」を削除して「三宮」としたいのです。JRは国鉄時代から「ノ」が入っています。ただ、三ノ宮については、現段階では「ノ」の字を取る計画はないとのことです。駅の標識・路線図を変えるだけでも膨大な費用がかかりますからね。

 三ノ宮駅の1日平均の乗客数は約12万人。兵庫県内では利用者数の最も多い、一番知られている駅になったともいえます。JR、阪急電鉄、阪神電鉄、神戸市営地下鉄、ポートアイランド線の5つの鉄道会社の路線が集まり、さまざまな場所にアクセスすることができる神戸のハブ駅でもあります。ただし、駅構内は実に複雑で、慣れない私はオロオロと迷ってしまいました。♥♥♥

▲JR三ノ宮駅改札口

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