難解な第6問

 「共通テスト」の第一日目。終了してすぐ午後6時頃に自宅に問題(R、L)が届きます。一生懸命に問題を解きます。そして午後9時に電話取材を受ける、というのが私の毎年のルーティンとなっています。今年の電話口では開口一番「リーディングの問題形式は予想通り第1問~第8問でした。予想通り分量が激減。難度は去年より易しくなっています。でも第6問は生徒たちには解けません。」と申し上げました。ここで驚くのはこの【第6問】を『解きやすかった』と平然と公言する関係者がいることです。どんな感覚で英語を読んでいるのでしょうか?私には信じられません。事実、ベネッセ・駿台のデータによれば、今年の「共通テスト」の大問の中で最も正答率が悪かった(41%)のがやはりこの第6問】でした。小問別の正答率は次の通りでした:問1(29.5%) 問2(56.3%) 問3(46.8%) 問4(32%)   中でも問1(全問の中で最悪)と問4(全問の中で二番目に低い)が極端に出来が悪かったのにもちゃんと理由がありました。 

 今年の「共通テストリーディング」第6問は「友人が書いた架空のストーリーを読む」という設定の文章で、非現実的かつシュールな内容の文章が目立ち、従来の評論的、実用的な文章の読解に慣れた受験生たちには、ハードルが高かったと思います。なぜこの問題が難しかったかのという具体的な理由を探ってみたいと思います。

(1)複雑な時系列構造(あっちへ行ったり、こっちへ行ったり)

時系列が前後する形式で記述されているために、時の流れを整理する力が問われます。ダイヤ(♦)マークが場面が切り替わるヒントになっていました。回想シーンを含めてあっちへ行ったりこっちへ行ったりで、受験生には話の展開が分かりにくかったと思われます。「共通テスト」では、本文に出てきた順番と実際の出来事の順番が違っている場合があり、注意が必要です。

(2)推測力・想像力が必要(書いてない)

本文に書いていない内容を読み取る力、行間を読む力が求められています。ここら辺が「共通テスト」の新傾向です。姉が特別な施設に送られたことを後悔し、息子を同じ運命にさせないという母親の真意「息子とこのまま一緒にいる」ということを、前後の文脈から把握しなければなりませんでした。

(3)選択肢の正確な分析が必要(精読の重要性)

不要な情報や曖昧な選択肢を排除し、本文の内容に基づいた正しい判断力が求められています。正しい「言い換え」を選択しなければなりません。日頃どのくらい「精読」ができているかがカギを握っています。

(4)物語形式ゆえの高い難易度(物語は苦手な人が多い)

そもそも「物語形式」の文章は受験生が苦手です。その理由は、①書き出しが分かりにくい ②話の流れをつかみにくい(5W1Hの法則) ③時系列で混乱 ④セリフが誰のもの? ⑤「言い換え表現」が多用される  英語力・文章の理解力・多角的な理解力・多読経験が重要になってきます。

 「超能力を持った少年が成長する様子を描いた物語」を読んで、それに対する感想メモを完成させる問題でした。少年の成長を時系列に並べる問題が出題されましたが、回想シーンとして過去の話が挿入されており、話の展開がつかみにくかったと思われます。主人公とメロディの関係もはっきりとは書いてなく本文中の手がかりから推測しなければならないことも概要把握を難しいものにしていました。私は当初から、第6問「心温まるいい話」が出るものと予想していましたが、あまり面白い文章とは言えず、ちょっとがっかりでした。今後の対策としては、センター試験時代の2000年前後の【第6問】に数多くの心温まる思わずホロリとする英文が出題されていますので、それをやるといいと思います。私は現在、勝田ケ丘志学館の生徒たちに、そのジーンとくるいい話を読んでもらっています。

 今回何と言っても「最も難しかった問題」は第6問でした。文章自体に過不足がある状態で、これを改良する前提で文章を読むのは、状況設定からして非常に難易度が高いものがあります。「個人的にはへたくそな文章を読んでフィードバックしてあげる形式それ自体が、テストとしていかがなものかと思う。テストとしては、読みごたえがあり、しっかりした文章を読ませて、ちゃんと読めているかを確認したほうが、良いのではないか」という意見まで出てきました。私はもう一度丁寧にこの問題を解いてもらうために、ポイントをプリントにまとめて(2枚)復習をしました(写真下)。♥♥♥

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