A job is a job is a job

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 その2019年9月30日付の記事に、”I have the job of delivering the bad news.”という文が悩ましい、という読者の疑問を取り上げて、このjobtaskであってjobではないのではないか?さらに、このofには「所有」の意味はどこにも含まれていない、という疑問を提示しておられました。専門の私などには全くナンセンスな質問だと思うのですが、その誤解を解き明かすために、jobという名詞の語源や歴史を詳しく解き明かした上で、ofの正体を丁寧に解説しておられました。今日私がここで取り上げたいのは、そのことではなくて、この記事のタイトルが、“A job is a job is a job”と付けられていたことです。「仕事は仕事であって仕事だ」?みなさんは分かりますか?

 私がこの表現に初めて出会ったのは、教員に成り立ての頃だったと思います。あの当時は、海外の新聞から洋雑誌、小説に至るまで、手当たり次第英語を読んでいた時期です。アレッと思う表現はひたすらカードに採って、いろいろと調べて疑問を解決しようと努力していたのです。その当時は、辞典も今のように親切ではなく、ネットもありませんでしたから、理解するにも苦労の連続でした。この表現は、Gertrude Steinの、1913年に書かれて1922年に出版された詩Sacred Emilyn の中に出て来るものです。“Rose is a rose is a rose is a rose.”が元ネタ(出典)です。

Rose is a rose is a rose is a rose
Loveliness extreme.
Extra gaiters,
Loveliness extreme.
Sweetest ice-cream.
Pages ages page ages page ages.

 よくアメリカ人が“A rose is a rose.”ということがありますが、これは「バラはバラだ」ということで、「明確に説明することはできない」「それはそうなんだから、そうなんだよ」という決まり文句です。“A rose is a rose is a rose.”あるいは、もっとしつこく“A rose is a rose is a rose is a rose.”という表現もあります。「バラがバラであることは、バラがバラであるということだ」とは、つまり「物事はあるがままであって、それ以上でもそれ以下でもない」という意味です。恩師の安藤貞雄先生『英語イディオム・句動詞大辞典』(三省堂、2011年)では、「バラはあくまでもバラだ《それ以上でも以下でもない》(G.Stein, Sacred Emily)▲しばしばA story is a story is a story. のようにもじって使用される」 と明確に記述しておられます。A rose is a rose is a rose is a rose. バラはどこまでいってもバラだ《◆米国の詩人・小説家G.スタインの言葉;物事の本質はどこまでいっても変わらないことをいう場合によく引用される》『ジーニアス英和辞典』(第6版)も参考になります。

 ところで皆さんは「バラ」を漢字で書くことができますか?「薔薇」という漢字はとても難しいですね。かつて松江北高補習科勝田ケ丘志学館の浪人生に書いてもらったことがありましたが、誰一人として書けませんでした。薔薇の書き方は、「佐渡(サ土)の人々口々に、サー微笑みに中一本」と覚えます。これが薔薇の書き方の呪文です。サは草冠、土、人人と書いて、口の中に口を書く。サーは草冠、微笑みの「微」を書いて真ん中に一本線を入れます。どうですか?覚えられましたでしょうか?チョット工夫して着眼点を押さえておけば、簡単に書くことができます。コツがあるんです。英語の単語も同様で、ちょっとした工夫をするだけで忘れなくなります。丸暗記ではなく、そこら辺を指導したいと思って私は毎日授業をしています。

 私は学生時代に、読書の際に出くわした、rabbit test,  like sevens coming out,  nervous Nellie,  peaches and cream,  Ten-five などの表現に、何を調べても手がかりがつかめず、途方に暮れることが多かったのですが、長年にわたって追いかけていると、偶然あるふとしたきっかけで氷解する、という経験を何度もしました。インターネットが発達して容易に調べることができる現在、あの苦労は一体何だったんだ?と思うことしきりです。でも分かるまで諦めないという姿勢は、ネットの進歩した今の時代においても大切です。ネット上には嘘もいっぱいあふれていますからね。♥♥♥

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