東洋の古典

 最新刊の渡部昇一・編『読めば人間力が高まる東洋古典の名言366を1冊にまとめてみた』(致知出版、定価2,200円、2025年8月)を読みました。本書は、かつて平成20年3月に致知出版から刊行された『四書五経一日一言』を改題、再編集し、新装版としたものです(写真)。今この時代に、本書を改めて世に問うことは、大きな意義があるように思います。『四書五経一日一言』は、儒教の重要な経典である「四書五経」から選ばれた366の言葉を、知の巨人・故・渡部昇一先生が実体験に基づいた解説を加えてまとめられた書籍です。この書籍は、日々の生活における指針や、人格形成、人生を豊かに生きるためのヒントを提供することを目的としています。「四書五経」とは 、儒教の経書の中で特に重要とされる「四書」「五経」の総称です。

  • 四書:『論語』、『大学』、『中庸』、『孟子』を指します。

  • 五経:『易経』、『書経』、『詩経』、『礼記』、『春秋』を指します。

これらの古典は、中国だけでなく日本や朝鮮でも広く学ばれてきました。この『四書五経一日一言』の特徴としては

◎日々の習慣に:366の言葉が収録されており、一日一言読むことで、古典の教えを日常生活に取り入れることができます。

◎分かりやすい解説渡部昇一先生による実体験に基づいた簡潔な解説が加えられており、古典に馴染みのない方でも理解しやすいように工夫されています。

◎人生のあらゆる場面で役立つ:多岐にわたる名言が、人生の様々な局面で力を与えてくれるとされています。

◎初心者にもおすすめ「四書五経」の要点を簡潔に理解できるため、古典の入門書としても適しています。

 編者である渡部昇一先生は、平成29年にご逝去されましたが、最後の最後まで日本と日本人の行く末を案じておられました。本書の「まえがき」では古典教育が「日本人の教養の背骨を成していた時代が数百年あり、その普遍的価値は今でも失われていない」と明記されています。この名著の再刊を通じて、故人の切なる思いが、次世代の読者へと託されるのは価値のあることです。偉大なる思想には、民族や国境や時代を超えた普遍性があるのです。孔子の教えを中心としてまとめられた書物の集積「四書五経」。中国古典でありながら、古来日本人が、人格を形成し人生を豊かに生きるヒントを得てきました。

 本書は膨大な東洋古典の名著四書五経」の中より、編者の渡部先生が、自らの生きる糧としてきた言葉を厳選し、実体験に基づく簡単な解説を加えたものです。名言に救われ人生を切り開いてきた先生の率直な表現が、古典の面白さ・エネルギーを伝えてくれます。「朋あり遠方より来たる、亦た楽しからずや」「至誠は神の如し」「富は屋を潤し、徳は身を潤す」「往く者は追わず、来たる者は拒まず」など、多岐にわたる366語が人生のあらゆる場面に力を与えてくれます。時代を経た名言の数々で心を洗う、一日一言の良い習慣をつけたいものです。本書でも指摘されているように、東洋古典には「人を造る力がある」のです。その魅力を一冊に凝縮した本書に触れることは、教養が身に付くだけでなく、人間力を高めることにも繋がるに違いありません。また、本書は「礼儀を重んじる」「志を立てる」「中庸を心がける」など、分かりやすく章立てされている点も読みやすく大きな魅力となっています。日本人としての教養の「背骨」を作るための必読書とも言えるでしょう。偉大なる思想には、民族や国境や時代を超えた普遍性があることを、説得力を持って伝えてくれる本です。♥♥♥

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