日本の音楽史に刻まれる記念すべき一夜となりました。小田和正(78歳)。シンガーソングライターとして半世紀以上にわたり第一線を走り続けてきたその人が、遂に全国アリーナツアーのファイナルを地元・横浜アリーナで迎え笑顔で完走しました。小田さんは1970年にオフコースでデビューし、今年で55周年。「アルバムTOP3入り最年長アーティスト」記録で歴代1位と、人気・実力共に衰えることはありません。今日はそのレポートです。
『明治安田Presents KAZUMASA ODA TOUR 2025「みんなで自己ベスト!!」』(⇒ツアースタート時の私の紹介記事はコチラ)、全国13都市28公演、延べ31万人を動員する人気を見せつけました。77歳7か月で実施する全国アリーナツアーは、小田さん自身が2年前に打ち立てた記録(75歳2ヶ月)を更新し、“史上最年長記録”という前人未踏の金字塔を打ち立てました。9月20日に誕生日を迎え、名実ともに「78歳での全国アリーナツアーを完走した唯一無二のアーティスト」として新たな伝説を築き上げたのです。円熟を極めた透明感のある歌声、心を震わせるメロディ、そして会場を埋め尽くす観客との一体感、世代を超えた小田さんの歌の力が、確かにそこにありました。
ライブスタートの直前、会場の照明が落ち、スクリーンに小田さんの幼少期の写真が映し出され、金沢文庫にある実家の小田薬局の前で無邪気に笑う少年時代の姿から、『自己ベスト-3』のジャケット写真を手に持ち、やがて映像は「自己ベスト島」のカラフルなアニメーションへと移り変わっていきます。そこには、今回のツアーを共に駆け抜けてきたバンドメンバーたちが、ギターやドラム、キーボードを手にして愛嬌たっぷりのキャラクターとして登場し、観客にわくわく感と笑顔が広がっていきます。まるでこれから始まる大冒険に誘われるような映像演出に、手拍子と歓声が加わり高揚感が増してゆくのでした。そしてオープニング映像が終わるやいなや、イントロが流れたのは1991年の国民的ヒット曲「ラブ・ストーリーは突然に」でした。大歓声がアリーナを揺らし、観客は一斉に立ち上がり、横浜アリーナは一瞬にして総立ちとなりました。続いて届けられたのは「wonderful life」。2016年にSUBARUのブランドCMソングとして広く知られる楽曲で、小田さんの澄んだ歌声と軽快なリズムが、横浜アリーナを爽やかな風で包み込みます。観客はまるでツアーと共に新たな旅に出るような感覚に浸りました。2曲目を歌い終えると、小田さんが「ありがとう『みんなで自己ベスト!!』は本日で終了してしまいます。明日からは皆さんが自己ベストを更新し続けていってください!」と笑顔で挨拶。続いて長きにわたりサポートしてきたバンドメンバーによるユーモラスな自己紹介に、客席は大きな笑いと拍手に包まれました。緊張がほぐれ、会場の空気がぐっと温かくなる瞬間でした。地元の横浜最終公演では約1万3,000人の声援を受け、場内を8の字にアリーナ席をぐるりと一周する約210メートルの花道を縦横無尽に何度もダッシュ。さわやかな白シャツを肘まで腕まくりをし、笑顔で客席を指さし一人一人に手を振りながら「ありがとう!」と笑顔で観客に感謝を伝えました。
メンバーの挨拶が終わると花道沿いのステージへと移動して「夏の日」。透明感のあるメロディが夏の記憶を呼び起こし、観客は体を揺らしながら聴き入ります。続く小田さんの真骨頂とも言える「woh woh」、「東京の空」で、切なくも力強い歌声がアリーナに響き渡ると、静寂の中、観客の想いが重なって、深い感動が生まれました。ステージはしっとりとした空気へと移り変わります。そして2005年に明治安田生命のCMソングとして広く親しまれた「たしかなこと」。多くの観客が目頭を押さえ、涙を流す姿が見られました。78歳となった小田さんが歌い上げる「たしかなこと」は、それぞれの人生を共有するかのように深い余韻を残しました。そして「こころ」。2007年にフジテレビ系ドラマ『ファースト・キス』の主題歌として書き下ろされた名曲です。
ライブ中盤では、この30年間の小田さんのコンサートで定番となっていた「全国ご当地紀行」の傑作選が流されました。各地での旅先の様子やハプニング、地元ファンとのふれあいを切り取った過去のダイジェスト版も放映され、ファンとともにこれまでの思い出に浸りました。各地区で繰り広げられる小田さんの等身大の姿に観客は大笑い、会場の空気を温かく和ませました。長年のファンにとっては「これぞ小田ライブ」と言えるお楽しみコーナーであり、会場全体にたくさんの笑顔と笑い声が溢れました。
ご当地映像が終わると、2024年TBS系ドラマ『ブラックペアン シーズン2』の主題歌として書き下ろし、今回のツアーで初披露された新バラード「その先にあるもの」です。力強さと儚さが同居するメロディに、観客は静かに聴き入り、会場は静寂に包まれました。「風と君を待つだけ」では、爽やかで軽やかなリズムが広がり、再び会場の空気が盛り上がっていきます。さらに「Yes-No」が始まると、アリーナ全体から歓声と拍手が沸き起こり、観客は総立ちで手を振りながらリズムに身を委ねます。続く「キラキラ」では、フロアに降りて、小田さんがマイクを片手に観客席や車椅子エリアを縦横無尽に練り歩き、ステージと客席の境界が消え、全員が同じ空間で音楽を楽しむ一体感が広がります。その熱狂の後に届けられたのは「言葉にできない」でした。語りかけるように歌い始めると、会場は水を打ったように静まり返り、観客はただただ小田さんの声に身を委ね、ひとつひとつのフレーズを胸に刻み込むように聴き入りました。
いよいよコンサートも終盤。ここで披露されたのは「すべて去りがたき日々」。2024年、明治安田生命の企業CMのために書き下ろされた新曲で、今回のツアーで初めて披露されました。優しいメロディに人生の深みを感じさせる歌詞が重なり、観客は新たな名曲の誕生を確信するかのように聴き入りました。そして本編最後を飾ったのは「君住む街へ」。伸びやかな歌声とともに、地元・横浜でのファイナルのステージはクライマックスを迎えます。ステージ上の小田さんと観客の表情は、共に過ごした音楽の時間への感謝と喜びに満ちていました。終盤を終えても、会場の熱気と余韻は冷めることなく、ファンの拍手と歓声は止むことはありませんでした。
鳴りやまない拍手と「小田さん!」のコールに応えるべく、白いTシャツに着替えてステージに再登場。客席から一斉に大歓声が湧き上がりました。アンコールの1曲目は、オフコース時代のセルフカバー「愛を止めないで」。曲の中盤には客席のあちこちから直径2メートル近い巨大なバルーンが放たれ、カラフルに舞い始めます。観客が次々に頭上へと押し上げ、会場を飛び交う様子はまるでお祭りそのものです。小田さんはそのバルーンを見つけると、満面の笑みを浮かべながら力いっぱい客席へシュートし、バルーンを受け取ったファンが大歓声を上げる一幕も見られました。ファンと一体になって遊ぶ姿に、会場全体が温かい幸福感に包まれたのでした。続く「Yes-Yes-Yes」では観客が一斉に手を振り、サビを大合唱。小田さんはこの日最長の距離を走ってみせました。「hello hello」「今日も どこかで」では深く穏やかな声で感謝を込めて歌い上げ、最後は、メンバー全員でアカペラ「いつも いつも」を歌唱。大きな歓声と拍手が沸き起こりました。
ステージ上に残った小田さんに鳴り止まぬ拍手と歓声が生まれる中、小田さんの突然の呼びかけに、ステージ袖から親交のあるアーティスト仲間たち(昨年で終了したTBS系の音楽特番「クリスマスの約束」そのままの光景が現出です)が次々と登場します!熊木杏里、JUJU、スキマスイッチ、根本要(STARDUST REVUE)、松たか子、水野良樹(いきものがかり)、矢井田瞳、和田唱(TRICERATOPS)らが「僕らなりに御礼が言いたくて」と。豪華すぎる顔ぶれの登場に会場はどよめき、客席からは割れんばかりの拍手と驚きの声が上がりました。全員で披露したのは「キラキラ」。小田さんを中心に、アーティストたちが花道を歩きながら歌声を重ね、客席に手を振り笑顔を届けます。続く「ラブ・ストーリーは突然に」では、イントロが流れた瞬間に再び大歓声。客席は総立ちとなり、華やかなコーラスと小田さんの歌声が重なり合い、盛り上がりは最高潮に達し、圧巻のラストを飾り、有終の美に花を添えました。
ダブルアンコールを終えても鳴り止まない拍手と「ありがとう!」の歓声に包まれる横浜アリーナ。ゲストの去ったステージで、約30年前に母校の聖光学園中・高で講演した思い出に触れ、静かにピアノの前に腰を下ろし、最後は地元・横浜への想いを綴った「my home town」を最後まで変わらないよく通る澄んだ歌声で歌い上げると、観客の多くが涙をぬぐう姿が見られました。「my home town」の余韻が会場全体に広がり、観客はこの特別な一夜を胸に焼き付けました。こうして、『明治安田Presents Kazumasa Oda Tour 2025「みんなで自己ベスト!!」』 は、地元横浜で奇蹟のファイナルを迎え、長いキャリアの金字塔となる瞬間を刻んだのです。横浜で迎えたファイナルは、78歳の小田和正が築き上げてきた“音楽の絆”を体現する、歴史的な瞬間となりました。アンコールを終えた小田さんは、深々と一礼しながら観客に向かって「また会おうぜ!!」と力強く叫ぶと大きな拍手と歓声が沸き起こり客席が一つとなりました。そして観客一人ひとりの胸に“奇蹟の時間”が刻まれる夜となったのです。
関係者によれば、ツアー中の小田さんは、会場入りしてから約4時間、歩いたり走ったり、声出しや、ラジオ体操などで体を温め、体調を整えて本番に臨んでいました。喉の調子が悪くなったり、発熱や気合の入り過ぎでライブ中の呼吸の乱れに襲われたこともありましたが、ツアーを通してコンディションは順調でした。関係者によると、小田さんはジム通いやゴルフ、30~40分にわたる早歩きのウオーキング、所属事務所での発声練習などで体調管理を徹底していたとのこと。今回のツアーでは各会場で本番の約4時間前には楽屋に入り体操などで準備を重ねました。
この日は「『みんなで自己ベスト!!』は本日で終了してしまいますが、明日からも皆、自己ベストを更新し続けていってください」と呼びかけ、場内を8の字に張り巡らされた全長210メートルの花道を何度も巡りました。「Yes-No」ではファン一人一人にマイクを向け、「キラキラ」ではフロアに降りて客席や車椅子エリアに入ってふれ合い、アンコールの「YES-YES-YES」ではこの日、最長の距離を走ってみせました。
小田さんと同じく70代のビッグアーティストでは、矢沢永吉(76歳)さんが11月からアリーナツアーを開催予定。自身は78歳でアリーナツアー完走の最年長記録を樹立しましたが、関係者によると小田さんは「更新のたびにどんどん年寄りにさせられている」とユーモラスに感想を漏らす一方で、「将来の目標などを語ることなく、目の前の観客を大切にする姿勢を貫いている」と説明しました。
関係者によれば、ツアー後の予定は全く白紙で、何も決めていないといいますが、小田さんは最後に「また会おうぜ!!」と絶叫して涙ぐみ、名残惜しそうにステージを降りています。この約束を守るために、きっとまた帰ってくるはずです。MCではツアータイトル「みんなで自己ベスト!!」に重ねて、「明日からも皆さん、自己ベストの更新を続けてください」とメッセージを送りました。終盤では花道から降りて客席の通路を歌唱しながら練り歩き、歓喜のファンと数十センチの距離で交流しました。熱気を共有すると、感極まった表情で「また会おうぜ!」とシャウトして涙ぐみ、再会を約束して名残惜しそうにステージを降りました。ひとつひとつのステージに集中し、〝完全燃焼〟する不変のアーティスト魂で、今後も音楽シーンを軽やかに駆け抜け、必ずや戻って来るはずです。♥♥♥
[バンドメンバー]
木村万作(ドラム&パーカッション)/ 栗尾直樹(キーボード)/ 稲葉政裕(ギター)/ 吉池千秋(ベース)
[ストリングス]
金原千恵子(ファーストバイオリン)/ 吉田翔平(セカンドバイオリン)/ 徳高真奈美(ヴィオラ)/ 堀沢真己(チェロ)
【小田和正ツアー最終日公演セットリスト】
1.ラブ・ストーリーは突然に
2.Wonderful life
3.夏の日
4.woh woh
5.東京の空
6.たしかなこと
7.こころ
8.その先にあるもの
9.風と君を待つだけ
10.Yes-No
11.キラキラ
12.言葉にできない
13.すべて去りがたき日々
14.君住む街へ
ENCORE
15.愛を止めないで
16.YES-YES-YES
17.hello hello
18.今日もどこかで
19.いつも いつも
20.キラキラ
21.ラブ・ストリーは突然に
22.my home town


