良い仕事

 お金を稼ぐことを目的に仕事をやっている人」と、良い仕事をすることを目的に仕事をしている人」。どちらが、結果的にお金を儲けることができると思いますか?欲はエネルギー源の一つですから、最初はほとんどの人が欲で仕事をします。「お金持ちになりたい」「地位や名誉を得たい」「格好良くみられたい」「家族を幸せにしたい」「もてたい」「マイホームを持ちたい」こういった欲のエネルギーだけである段階まで来ると、最初に挙げた大きく二つの人間に分かれてきます。もちろん答えは、良い仕事をすることを目的に仕事をしている人です。金儲けしたいと思う人が儲からず、良い仕事を追い求める人の方が儲かるのです。長い間、多くの会社や人間を見てきて、これは人生の真理・現実の一つだと私は強く感じています。その理由は子どもでも分かるくらい簡単なことです。

 良い仕事をすることを目的に仕事をしている人は、常に、今以上に良い商品やサービスを提供しようとして頑張ります。良い商品やサービスを提供し続ければ、お客さまは喜んでくれます。お客さまが喜んでくれたら、その分、結果として売り上げや利益が出ることになります。売り上げや利益が出るということは、会社であれば、儲かった分を社員や株主などに還元することもできます。さらには、納税により地域社会にも貢献することができますね。つまり、良い仕事をすることを目的にしている人は、「結果として」儲かるわけです。お客さまのため、社会のためという「利他心」で仕事をすると、仕事の質は向上し、その結果、利益を得ることができます。良い仕事をするということを目的とすれば、良い仕事をすること自体で、自分も楽しいし、また、良い仕事は世間をも利しますから、多くの方を喜ばせることにもなります。そこには、「利己」「利他」も超越した世界があると言ってもよいでしょう。

 でも、実際は、なかなかこういった気持ちになれる人は少ないのです。お金や地位が目的化していることが、誤りだと気づいていない人も多いのかもしれません。そういう人は、仕事がだんだん荒れてくるか、疲れてきます。ルンルン気分で仕事をすることができなくなってきます(皆さんはルンルン気分で仕事をしていますか?)。お金や地位が目的の人は、一時的に地位やお金を得ても、本当の幸せにはなれず、地位やお金もあだ花のようにいずれは消えてしまいます。お金儲けをしようとする人ほどお金儲けができないのです。良い仕事をしようと全力を尽くせば、結果お金はついてくるのですが。重要なことは、お金を稼げるぐらいに良い仕事をすることなのです。「お金を追うな、仕事を追え」とは、私の人生訓です。お金や地位は、頑張って仕事をやっていれば、自然についてくるのです。

 お金儲けがしたいと思う人が儲からないのは、金儲けすることが仕事の目的になっているため、「お客さまのために」良い仕事をするという気持ちが二の次になってしまうからです。最初は「お客さまのため」と思っていた人も、お金儲けが目的になった途端に、お客さま志向はどんどん希薄になってしまいます。良い仕事をする気持ちが希薄になると、効率性ばかりを重視するなどして仕事はどうしても荒れてきます。「お客さまのために何ができるか」という肝心な視点も抜け落ちますから、当然、商品やサービスの質が低下します。人によっては法律違反まで犯してしまいます。これでは、到底、お客さまに喜んでもらうことはできず、結果として、会社全体の売り上げや利益は下がってしまいます。売り上げや利益が下がれば、社員や株主に還元することもできず、納税額も下がり地域社会への貢献度合いも低くなってしまいます。お金を追い求めると、坂道を転げ落ちるかのように経営が悪化し、何もかもがうまくいかなくなるというのはよく聞く話です。自分の利害ばかりを考える「利己心」で仕事をすると、仕事の質は低下しますから、結果的には儲けることはできないのです。これは別にビジネスの世界だけに限ったことではなく、役所でも政治家でも、教育の世界でも同じです。仕事を「手段」にしている人には限界があるのです。

 一万円札の肖像になっている「日本資本主義の父」と言われている渋沢栄一氏は、「論語と算盤は一致すべし」と繰り返し主張しています。「論語」(=道徳)「算盤」(=経済)は両立するものであり、豊かさを持続させるのには、善い行いと良い商いがかけ離れてはいけないという教えですね。算盤だけを追い求めても、算盤はついてこない。論語を追い求めて、初めて算盤がついてくる、ということを忘れてはならないのです。

 私の経験で言えば、大学に入れることだけを目標に頑張っている先生と、英語の力を付けることを目標にひたすら努力している先生とでは、明らかに後者の先生の方が、大学に合格する生徒が多いし、卒業してからも感謝し続けてくれ、交流が続くようです。「お金を追うな、仕事を追え」です。♥♥♥

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