浦田俊輔選手の活躍

 巨人のワークマン・浦田俊輔選手(うらたしゅんすけ、23歳、年俸1,200万円推定)。アマチュア時代に3季連続で盗塁王を獲得したその高い走塁技術は、プロ2年目を迎えて一軍の舞台でも完全に開花したと言えるでしょう。現在盗塁王(29個)。リードが大きい、スタートがいい、足も速い、スライディングでスピードが落ちない、タッチをかいくぐる身のこなし、全てが集約されています。守備も俊足を生かして、離脱中の名手・吉川尚輝選手に見劣りがしません。浦田選手のお父さんは、元高校球児で近代五種でアトランタ五輪を目指しておられ、100mを10秒台で走っていたそうです。小さい頃から坂道ダッシュでフォームなどを頻繁に教わっていたとか。さらにお母さんも、高校時代バレー部の主将を務めインターハイ優勝に導くなどアスリート一家だそうです。アスリートのDNAと、お父さんの熱心な指導が今の田選手の足の速さ(50m5秒8)につながっていました。

 単に単独での盗塁成功に留まらず(現在29個)、相手バッテリーに警戒網を敷かれた中での鋭いスタートや、高い確率での成功率は、チームの機動力・得点力を大きく引き上げています。この走力は、今年のジャイアンツの得点創出における強力な起点となっています。浦田選手が出塁し、即座に盗塁で二塁へ進むことにより、クリーンアップを中心とした後続の打者に対して、単打一本で先制点や追加点を奪える状況を頻繁に作り出しています。さらに、その足が相手投手へ与えるプレッシャーが、配球を甘くさせる副次的な効果も生んでおり、出塁から生還に至るまでのプロセス全てにおいて、チームの得点効率を高める極めて重要な役割を果たしています。今までになかった今年の巨人のアピールポイントです(セリーグ盗塁最多)。

 2024年のドラフト2位で、九州産業大から巨人に入団した浦田選手。2年目の今季は前半戦だけで80試合に出場し、チームトップ打率.274をマークしています。1番バッターとしての起用も増加する中、出塁率.333をマーク。塁に出ては持ち味の俊足を生かし、現在リーグトップタイとなる29盗塁をマークするなど、チャンスメイクに貢献しています。

 5回2死一塁、盗塁を決める浦田俊輔(カメラ・中島 傑)

 1番バッターとしての役割については「試合を左右する打順」と肝に銘じ、「凡退の仕方も、ライナーのいい当たりを打てば、次のバッターもいいイメージで入れるので。出塁するだけが全てじゃない。いっぱい投げさせて、次のバッターにつなげる役目もある。そこを意識してやっている」と、試合での狙いについて語ります。

 昨季は機動力の高さのみが注目されていた浦田選手でしたが、今季は打撃面でも安定感を披露しています(打率.274。セリーグ5位)。バッティング向上のワケを聞かれると、阿部慎之助前監督からの助言が生きたことを明かしています。その内容については「今までのバッティング練習は、ライナーを打つのを意識しただけだったんですけど。指導を受けて、実戦に近いバッティング練習をするようになって、それが試合でもできるようになった」と語りました。阿部前監督には、昨年たくさん怒られたと言います。「逆方向に打球を飛ばせばもっと打率上がるよ」「いかに実戦に近い練習をするか、それで結果が変わってくる」と、プロとして野球に対する姿勢を学ばせてもらったと言います。その阿部前監督は、昨シーズン終盤スタメンに定着していた浦田選手「新人王」の資格を残したいから、60打席以上立たないように外そうと言って、残り2試合の142試合目で先発を外し、最終的に60打席ちょうどで終わらせました。「新人王」の資格は前年まで61打席未満だと翌年にも残ることから、「新人王」の可能性を信じての慧眼でした。

 オールスター戦でも2試合で3盗塁の大活躍を見せた浦田選手は、東京ドームでも自慢の快足を発揮しました。この日は守備です。7月31日のDeNA戦。2回先頭のエンカーナシオンが放ったフライが右翼へ飛びました。二塁手の浦田選手はきびすを返すようにして背走すると、落下地点へと猛ダッシュ。右翼エリアまで一気に駆け抜け、背走のままで見事にボールをグラブに収めました。彼の応援歌も完成し、この日から場内にこだましています。巨人の韋駄天(いだてん)スピードスターが、後半戦もファンを沸かします。

 打撃練習が他の選手とは全く異質だと言います。徹底的に逆方向へ低い打球を打っているそうです。「変態的な打撃練習ですよ。それが実際にゲームに生きてますよね。自分の特性を理解して、ああいう練習を取り入れることによって対応力がどんどん上がって数字も上がった。ああなると成長は速いですよね」と、橋上監督代行は喜びを語ります。♥♥♥

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