in my youth

 ある雑誌でこんな記述を目にしました。

 「若いころは」という意味でin my youthを使う日本人が非常に多いが、これは今ではあまり使われていないので注意しよう。

 方向性としてはよいのですが、「今ではあまり使われていない」は少し言い過ぎです。in my youth は現在でも普通に理解され、実際に使われています。ただし、日常会話で「若いころは」と気軽に言う場合には、もっと自然で頻度の高い表現があります。in my youth は間違いではありませんが、現代の会話ではやや改まった・文学的・回想調に響くことがあります。例えば、

   In my youth, I loved playing tennis.

は文法的にも自然ですが、少し「若かりし頃は……」という回想調があります。日常会話なら、When I was young, I loved playing tennis.のほうがずっと普通です。あるいは、When I was younger, I used to play tennis a lot.も非常に自然です。ただし、「古臭い」とまでは言えないでしょう。現代の日常会話やビジネスシーンでは硬すぎる、あるいは時代がかった(古風な)印象を与えるため、ネイティブはあまり使いません。文学や公的なスピーチ、自伝などで敢えて重々しく語るような文脈に適した表現です。

 in my youth は、現代英語でも十分生きています。特に、

・人生を振り返る文章

・回想

・歴史的な話

・少し格調のある文章

・「若い時代」という期間をひとまとまりに捉える場合

には今でも自然です。例えば、

   In my youth, I traveled extensively throughout Europe.

なら、「若いころ、私はヨーロッパ中を旅行した」という回想としてまったく問題ありません。むしろ when I was young よりも、「若い時代には」という人生の一時期を振り返る感じが出ます。

◆「若いころ」の使い分け

表現 現代英語での自然さ ニュアンス
when I was young ★★★★★ 最も普通の定番表現
when I was younger ★★★★★ 「もっと若かったころ」
when I was a kid ★★★★★ 子供のころ
when I was in my twenties ★★★★★ 20代のころ
back when I was young ★★★★☆ 「昔、若かったころ」
in my youth ★★★☆☆ 回想的・やや改まった
in my younger days ★★★☆☆ 「若かりしころ」的

 in my younger days も覚えておくと面白いです。これは現在でも使われますが、やはり「若かりし頃はね」という年長者の回想っぽさが感じられます。

 したがって、

in my youth は古臭く、今ではほとんど使われない

と断ずるのは正確ではありません。それより、

in my youth は現在でも使われるが、日常会話で単純に「若いころ」と言いたいなら when I was young / when I was younger のほうが自然。in my youth は少し改まった、回想的な響きがある。

と説明するのが適切です。この違いを知らずに「若いころは=in my youth」と覚えると、会話でやや硬い印象になるため「避けた方がよい」と言われがちです。学習辞典のLDOCEには “In everyday English, people usually say when I was young, rather than saying in my youth : They were friends when they were young. ” という注意が与えられています。❤❤❤

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