BS日テレオリジナルドラマ、令和サスペンス劇場「旅人検視官 道場修作 長野県 車山高原殺人事件」第6弾の放送(1月31日午後7時~)が決定しました。本作は内藤剛志(ないとうたかし、70歳)さん演じる、定年退職した元警視庁検視官の道場修作(みちばnしゅうさく)が、亡き妻が残した雑記帳とともに訪れた旅先で事件に巻き込まれる、懐かしくも新しい令和の2時間サスペンスドラマです。2023年12月の放送から続いている人気シリーズで、毎話繰り広げられる人間ドラマが絡んだサスペンスはもちろんのこと、主人公・道場修作と一緒に全国の観光地を旅している気分が味わえる旅情感も大きな魅力の作品です。サスペンスとしてのハラハラ感はもちろんのこと、劇中に登場する全国各地の観光スポットやご当地グルメなども大きな見どころで、旅情感も味わえる作品です。今回も諏訪大社、車山高原、奈良半宿、イングリッシュガーデンなど長野の名所を訪れ、蓼科野菜、信州そば、天狗水などのご当地グルメを堪能することができます。私は内藤さんと同い年ということもあって、ずっと応援しているんです(私の好きな故・西村京太郎先生の十津川警部を演じたこともありましたっけ)。
今回の舞台は、亡き妻が愛した俳人・小林一茶ゆかりの地・長野県。車山高原で見つかった白骨遺体をきっかけに、道場はまたしても事件に巻き込まれ、捜査には関わるまいとしながらも次第に真相に近づいていきます。物語に大きく関わる人物として、車山高原のツアーガイド兼ガーデンデザイナーで、失踪した夫を待つ芝田夕夏役として森尾由美が出演。夕夏の義兄で世界的カメラマン・芝田徹を渡辺いっけい、そして、夕夏の義母でありガーデンオーナーの芝田麗子を松原智恵子が演じ、物語は複雑に交差していきます。さらに、道場に憧れる地元警察の若手鑑識係・磯崎悠馬役を松澤和輝が務め、思いがけず第一通報者となった道場は、磯崎にアドバイスをするうちに、複雑な家族愛や完璧なアリバイに隠された事件の真相に迫っていくことになります。道場の亡き妻との旅の行方はどうなるのでしょうか?
内藤さんは台本を読んで「過去のシリーズでは、亡き妻・由美子が雑記帳に書き記した“あなたと行ってみたい場所”を旅してきたんです。ただ今回は、由美子が以前旅した場所を訪れました。実は由美子が先に訪れた場所に来るのは初めてなんです。それが何よりも今回新しいんじゃないでしょうかね」と印象を述べます。また、「今までの道場シリーズでは必ず近くに海があったんですが、今回の車山にはないんです。車山高原は空に近い場所で、亡き妻・由美子のいる場所を連想させるなと。空を見上げる…僕なりの理由ですが、いつもと少し違う方向を向いているのではないかなと思います」と、これまでと違う気持ちで臨んでいます。そして、「このシリーズでは初めて亡き妻がかつて訪れた場所へ引き寄せられてきます。この引力は、今回のドラマが終わっても先に続くと思いますので、皆さんこれからの道場を楽しみにしていてください。言いたいですけど言えません(笑)。大きなことがきっと起きますので、ぜひご覧ください」と視聴者に呼び掛けました。♥♥♥
―今回の台本を読んで
毎回、新しい発見と喜びがあります。過去のシリーズでは、亡き妻・由美子が雑記帳に書き記した“あなたと行ってみたい場所”を旅してきたんです。ただ今回は、由美子が以前旅した場所を訪れました。実は由美子が先に訪れた場所に来るのは初めてなんです。なので、それが何よりも今回新しいんじゃないでしょうかね。由美子がこの地で修作に見せたかったことは何か、というのが今回のテーマのような気がします。
―舞台となる長野県の魅力
長野県は撮影で何度もお世話になっている場所です。美味しくてきれいな水っていうイメージで、空や山々であったり全てそこから始まっている気がしますね。地元の野菜や蕎麦・米・肉もすべて美味しいです。今までの道場シリーズでは必ず近くに海があったんですが、今回の車山にはないんです。何が違うかなって考えると、車山高原は空に近い場所で、亡き妻・由美子のいる場所を連想させるなと。空を見上げる…僕なりの理由ですが、いつもと少し違う方向を向いているのではないかなと思います。そんな空や、この風景の中で皆さんに何か感じていただければ嬉しいです。
―視聴者の皆様へのメッセージ
素晴らしい風景の中で、誰が犯人か?なぜその事件が起きたのか?を皆さん推理してください。そして、このシリーズでは初めて亡き妻がかつて訪れた場所へ引き寄せられてきます。この引力は、今回のドラマが終わっても先に続くと思いますので、皆さんこれからの道場を楽しみにしていてください。言いたいですけど言えません〔笑〕。大きなことがきっと起きますので、ぜひご覧ください。
かつては民放各局が競って制作しながら、いつしか消えていった2時間ドラマに関して、旅情ミステリーの王道的作品で、主演は“刑事役”といえばこの人、第一人者の内藤さんが、なぜ2時間ドラマは消えてしまったのか、鋭く推理しています。
「テレビ局それぞれの事情があって今地上波ではもうほとんどないですね。僕ら作る側として言えば、(これまでは)番組がたくさんありすぎて、何か当たり前にやり過ぎてしまった側面がないか、という反省点はあります」。取材会で一言ずつかみしめるように内藤さんは語り出しました。
日常の死角を切り取ったサスペンスから旅情ミステリーまで、2時間ドラマ枠の歴史は、テレビ朝日が1977年に作った「土曜ワイド劇場」に始まります。1984年には市原悦子主演の「家政婦は見た!」が世帯視聴率30・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。1981年に日本テレビ系で「火曜サスペンス劇場」、82年にはTBS系で土曜日に「ザ・サスペンス」も始まり、各局が互いに競い合うようになっていきました。多くはミステリー作品で、じっくりと見られる2時間枠が謎に一層の奥行きを与えました。また、舞台を温泉地などの観光地にして旅情を前面に押し出した作品も好評で、それぞれの番組枠がいくつもの看板シリーズを抱え、おなじみのキャストが活躍する安定感、安心感はお茶の間に広く支持されました。1989年には「月曜ドラマスペシャル」(のちの「月曜名作劇場」)もTBS系で始まり、百花繚乱の状態となったのです。
ところが、2000年代に入ってから陰りが見えるようになります。2005年に「火曜サスペンス劇場」が、2017年に「土曜ワイド劇場」が終了し、2019年に「月曜名作劇場」が終了するに至り、ついに民放の2時間ドラマのレギュラー枠が完全に消滅しました。背景には、制作費の抑制や、視聴層の若返りといったテレビ局側の意向も大きいのですが、実際には、「シリーズもの」の多さによるマンネリ化も挙げられるでしょう。内藤さんは語ります。
「シリーズものは、やっぱり半年たてば新しいもの(続編)があるとか、“次”が保証されているみたいなところがあったんですね」。内藤さんは自戒を込めるように振り返ります。「そうすると『これぐらいの作りでいいだろう』と、べつに手を抜いたわけじゃないけど、どうしても似たものになってしまったんじゃないでしょうか。やっぱり新しいものになっていかなきゃいけない。そこをやり忘れていたかもしれませんね」
放送枠が消えた後も、テレビ朝日系「西村京太郎トラベルミステリー」、フジテレビ系「赤い霊柩車」、テレビ朝日系「おかしな刑事」といった大看板シリーズは特番で奮闘していましが、それも一昨年から昨年にかけて、主要キャストの高齢化などで惜しまれつつ幕を閉じました。寂しい限りです。
若者を中心としたテレビ離れが急速に進む中、高騰する制作費の割に視聴率が稼げなくなった昔ながらの2時間ドラマは、もはや地上波では新作の制作は厳しいものがあります。BSでも再放送がせいぜいで、新作のレギュラー枠は難しいと思われます。そんな風前のともしび状態の中で始まったのが道場検視官シリーズでした。内藤さんは、これが社会に必要な番組だと考えています。「刑事ドラマや時代劇もそうですが、悪い人がいて正義の味方がいて、悪い人は捕まるか、罰を受ける。それを親子で見て、人の心が形成されていたと思うんですよね。悪いことはしちゃいけないと知らせる役割が2時間ドラマにはあった。そこはもっときちっとやった方がいい」 内藤さん演じる元検視官という新たな役について「ご遺体に向き合ってきた仕事柄、人の死に対し非常に心を使う人であり、一方でそこから離れたいとも思っている」と捉え、「人生を生き直そうとしている男です。人生はいつでもやり直せる、まだまだ楽しいことがいっぱいあると伝えられたら」と語っています。のびのびとした作風は、BS局の制作であることも関係しているようで、「BSだと出演者とスタッフの距離が近く自由度も高い。地上波よりも小回りが利いて、現場の意見も反映されやすいですね」と話します。このあたりは今後の2時間ドラマの路線復活を考える上で試金石となりそうです。王道路線でありながら、仕事や子育てを終えた人への応援歌のようなドラマでもあると言います。「修作は新しい世界を歩みます。視聴者のみなさんも、新しい生活であったりとか楽しさを見つけてみませんか」と呼びかけています。♥♥♥