生徒の力を引き出す

 今から48年も前、大学を卒業し、島根県教員採用試験に合格して、教員としての第一歩を踏み出そうという時、4月1日に島根県庁で行われた「辞令交付式」で、私は230人くらいいた新規採用教員を代表して挨拶をしました。大学時代に教えていただいた故・山本和夫先生(島根県立短期大学教授)の単語の教えを活かして、英語の教員らしく、educate(教育する)という言葉の語源を引き合いに出して、ex(外へ)+duce(引き出す)ということから、生徒たちの秘められた無限の数々の才能を外へ引き出してやるお手伝いをさせてもらいたい、という決意を、期待に胸を膨らませながら述べたのでありました。あれから48年か。そういう教師を目指して、秋山 仁先生「教師五者論」+芸者+指揮者を実践しながら(⇒秋山先生について詳しくはコチラをご覧ください)、ひたすら駆け抜けてきました。 

 19世紀のイギリスの哲学者であるウィリアム・アーサー・ウォードは、こう述べています。名言だと思います。

The mediocre teacher tells.
The good teacher explains.
The superior teacher demonstrates.
The great teacher inspires.
凡庸な教師はただしゃべる。
良い教師は説明する。
優れた教師は自らやってみせる。
しかし偉大な教師は心に火をつける

 「生徒の心に火をつける教師を目指して、これまで一生懸命やってきました。一人でも二人でも、そういう生徒が出てきたのであれば嬉しいのですが…。次の言葉も同様の主旨です。

いい先生は丁寧に説明してくれる。もうちょっといい先生は自ら範を垂れ、最高な先生は俄然やる気にさせてくれる。(W.A.ワーズ)

 私は大学に入れるために英語を教えているのではありません。英語の面白さ・難しさ・奥深さを生徒に伝えて、大学へ行ってからも、そして社会人となってからも英語の勉強を続けてもらうために必要な基礎・基本をしっかりと教え、本物の英語の力をつけるために毎日の授業をしています。決して「分かりやすい授業」とか「面白い授業」が目標ではありません。「生徒の心に火を付ける」のが私の仕事だと思ってやっています。そのためには、成績が目に見えて上がった、模試の得点が飛躍的に伸びた、というのが一番の薬・励みになるようですから、「結果」にもこだわりたいと思っています。そのために毎日の反省・分析を怠りません。私の授業の目標は「分かりやすい授業」ではなく、「あ~、英語の勉強って面白いな」「ワクワク、ドキドキ」を伝えて、「もっと勉強してみよう!」と励ます授業こそが、私の目標なんです。生徒一人でも、二人でもそういう気持ちを体験してもらえる授業こそが、私にとって「良い授業」です。毎日の授業を私は、「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」をモットーにしてやっています。これは作家の井上ひさしさんの言葉です。そんな私は、1時間の授業の中に「笑い」が必ず出るように心がけています。

 生徒たちの心に火を付けるために、私は教え子たちに協力してもらって、学校案内やパンフレットでは知ることのできない大学生活の生のレポートを送ってもらい、それを「あむーる」と題する通信に掲載して生徒に配布してきました。もう何十年も続けていることです。松江南高校で担任を務めていた際に毎週発行していた「学級通信」が元になりました。大田高校で進路部長を務めていたときには、「進路だより」と形を変えて毎週発行しました。津和野高校では「学校だより」に形を変え、松江北高に帰ってからは「学級通信」「英語通信」と進化していきました。高校時代に担任した生徒の保護者が楽しみにしてくださって、今でも全部保存してあります、と言っていただいたこともあります。今は勝田ケ丘志学館で月に一回発行しています。ちなみに「あむーる」というのは私の大好きなフランス人ピアニスト・リチャード・クレーダーマンのアルバムのタイトルからいただきました。生徒たちに大変好評で、これを読んで、その大学を志した例も少なくありません。

 さて、冒頭の英単語のeducate(教育する)を教える時に、duce「導く」という「語根」を押さえておくと、後々役に立ちますよ。ライトハウス英和辞典』(第7版)「単語のキズナ」というコラムをぜひ活用していただければ嬉しく思います。このように語源を活用してやると、英単語の記憶がずいぶん楽になるんですよ。❤❤❤

educate   e(=ex)「外へ」+duce「導く+ate「させる」⇒「能力を外へ導き出す」
⇒教育する」produce  pro「前へ」+ duce「導く⇒「前へ導き出す」⇒「作り出す」introduce  intro「中へ」+ duce「導く」⇒「中へ導き入れる」⇒「紹介する」
reduce  re「後ろへ」+ duce「導く⇒「後ろへ引き戻す」⇒「少なくする」induce  in「中に」+duce「導く⇒「中に導き入れる」⇒「誘惑する」
seduce se「離れて」+duce「導く」⇒「わきへ導く」⇒「誘惑する」
duct  導くもの⇒「送水管」

 

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境港「黄金」

◎週末はグルメ情報!!今週はラーメン

 鳥取県境港市麦垣にある老舗名店「黄金」(こがね)に連れて行ってもらいました。国道431号線沿いにあり、同じ敷地内のお隣にはお食事処「池田屋」さんがあります。創業は35年以上前󠄂。場所を移転して現在の場所になってから30年になります。

 カウンター上のメニュー表をご覧ください(写真上)。ラーメンが今時450円ってなかなか見かけない値段ですね。大盛は各種150円増しです。カウンター席とテーブル席の小さなお店ですが、お客さんが入れ替わり立ち替わり次々と入って来られます。活気があり、繁昌していますね。ご高齢の店主さんは熱い鉄板の前で大忙しです。

 セットメニューも色々あります。私は「ラーメン+ギョーザ+ライス」セット(750円)を注文しました。すると目の前で店主さんはめっちゃ素早い動きで調理を開始します。何せお客さんの数が多いので、出てくるまでにしばらく時間がかかりました。ラーメンの具材はモヤシ、ネギ、メンマ、チャーシュー1枚。まずはスープをひと口。牛骨ベースに鶏ガラ、豚骨を合わせたスープはあっさりと優しい味わいです。醤油の香ばしさと牛骨の香りが良いスープです。牛骨系の中では甘味を強めにしているお店がよくありますが、こちらは甘味を抑えたスッキリ系で好みです。ストレートに牛骨の旨味が楽しめました。スープはきつい感じはなく、誰でも食べやすい優しい味です。ラーメンはやはりスープが命ですね。ここ「黄金」のラーメンに対する最大のこだわりは、固すぎず、柔らかすぎず、絶妙のタイミングでゆであげられた麺です。まずは麺を一口食べると、牛骨と豚骨、鶏ガラで煮込んだ醬油ベースのスープが、細いややちじれた麺にしっかりと絡みつき、さっぱりとした味わいがクチンオナカに広がります。ほどよい堅さの麺との相性は抜群で、一気喉へなだれ込みます。麺はつるっとしたちぢれ麺で少し柔らか目。懐かしい中華そばって感じで美味しかったです。ねぎ、もやしがシャキシャキしています。チャーシューは柔らかくて、味もしっかりしています。これで450円は安すぎでしょう。松江市「太平楽」を思い出しました。一緒に頼んだ「ギョーザ」(5個)もいい味をしていて、ご飯が進みます。

▲これで750円は安い!

▲このラーメンが絶品!

▲このギョーザもいける

▲半熟の目玉焼きが好相性

 この日、私の周りのお客さんはみんな「焼きそば」を注文しておられました。隣のお客さんのお皿も見るからに美味しそうでした。「焼きそば」のテイクアウトを求めてやって来たお客さんも多かったです。ここは「ラーメン」「焼きそば」が看板商品なんです。次回は「焼きそば」を食べに来なければいけません。ということで、今日は二回目の訪問です。「肉玉焼きそば」(550円)を注文します。具材は豚肉、キャベツ、モヤシ、目玉焼きが乗っかっていてこれもお値打ちですね。ソースが効いていて濃い目の味付けで美味しかったです。店主さんもめっちゃ忙しいのに愛想もよく満足のランチでした。焼きそばの「肉玉」です。上に乗せられた半熟の目玉焼きを潰しながら焼きそばにからめていただくのが最高です。この日はお昼を少し過ぎていましたが、お客さんが続々と入ってきます。やっぱりみんなここのラーメン&焼きそばが大好きなんですね。こんなお店を大切にしたい。安くてうまい近所の食堂ラーメン屋さんです。鳥取県でも有数の味と感じました。ラーメンと焼きそば。あなたはどちらを注文しますか?♥♥♥

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石破ブーメラン辞任

 言っていることとやっていることが違う人間には、尊敬の念を抱くことができません。石破総理が総裁選挙の時には極めて具体的に熱っぽく語っていたことが、政策には全く入ってきませんでした。見事に「言行不一致」を示しており、政治に対する国民の信頼を失墜させました。昨年の12月には、衆院予算委員会集中審議で「当選したからといって公約をその通りに実行するとはならない」「これまでも自民党は公約を守ったことはない」などと平気で発言していた人です。第27回参院選において、自公で過半数を割り込む大敗となった石破茂首相(自民党総裁)は、「国民の厳しい審判を頂いた。深くお詫び申し上げる」「ここから先はいばらの道だ」としながらも、「政治を停滞させない」と続投を表明しました。日米関税交渉や物価高、厳しい安全保障環境、首都直下型地震や南海トラフへの不安などの政策課題を挙げました。3回連続して大敗しておきながら、選挙がなかったかのように、誰も責任を取らずにこのまま進もうとしていました。組織のトップとしてはあり得ない姿でしょう。「一切の偽りのない心で、うそのない心で国家国民のために尽くす。その思いでこれから先、臨んでまいりたい」と続投の強い意思を示していました。

 7月28日に行われた「両院議員懇談会」では60何人の議員が発言しましたが、続投を容認したのはわずか5~6人と少数でした。首相を取り巻く厳しい現状が浮き彫りになった恰好です。元衆院議員で実業家の糸山英太郎(83歳)さんは、「人間はたとえダメでも優しさや人間味があるものだが、石破にはそれがない。呼んで説教をしようとか電話をしてあげようかという気にもならない。負けたんだから辞めるべきだし、このままトランプが来た時も相手にしてもらえない。25%の関税が15%になったと喜んでいるが、しっかりと日本はお土産を取られますよ。ただ、このままの状況が続いて、野党が不信任案を出せば、自民党の中からも賛同者が出て、通ってしまう。8月15日ごろがヤマ場になる」と、辞任に追い込まれるのは不可避とみていました。しかしそれでも本人は辞めることはありませんでした。

 石破さんは、かつて2007年の参院選で敗北した故・安倍晋三首相に対して、党の総務会で「選挙に負けたのに続投するのは理屈が通らない」と厳しく辞任を迫り、「惨敗後も“使命を果たす”というのでは国民に説明がつかないのではないか。やめるべきではないか」「私だったら即座に辞めて、落選した人に謝って回る」と発言して、退陣を迫っていた人です。2009年に東京都議選で自民党が敗北した時も、自らも閣僚でありながら、麻生太郎首相に退陣を求めていた人物です。その時の発言が今、ブーメランのようにご本人に返ってきているのです。当時の自分の言葉のように、自ら責任をとらなければいけません。過去に言っていたこととやっていることがブレている人に、国民は信頼を置くことはないのです。あの時の言葉は一体何だったんでしょうか?党内野党だった時代には、なかなかいいことを、正論を熱く語っていて、特に地方では人気の高かった政治家ですが、いざ自分が総理になったらブレまくりです。自分の言ったことには責任を持たないと、国民の信頼はますます離れていくばかりでしょう。「自分の信念をしっかりと持ち、それを貫いている人」がブレない人の定義で、自分の信念(=正しいと信じる考え方)を持っている人は、それを拠り所にすることができるので、自信を持って強く生きて行くことができます。そうすればブレにくいし、どんなにゆらゆらと揺れている時でも、原点に戻る、あるいは原点に気づくことができます。ブレても振り子の原点に戻ることができるのです。英語では「有言実行」“Walk The Talk”(言った通りに歩く=WTT)と言います。これに対して、“No Action Talk Only”(言うだけで行動しない=NATO 造語)では信頼されることはありません。人の上に立つリーダーは、WTTに加盟し、間違ってもNATOに加わってはなりません。

▲この本勉強になる!

 「比較第1党としての責任、国家、国民への責任を果たしていかねばならない」とあたかも国民の支持を得たかのような言い回しにも違和感を覚えました。与党は大きく議席を減らしたが、比較して第1党はどこかと言ったら自民党。建前としては『国民はまだ自民党を支持しているんだ。』だから総理大臣を続けるんだ、と言っているかのようです。「比較第一党に胸を張るのではなく、過半数を達成できなかったことを重く受け止めるべきだ」という小泉農相の言葉の方が正論です。続投の理由に、地震を持ち出してきたのにも強い違和感を覚えました。意固地になっている面も見られます。『読売新聞』に退陣表明の号外スクープを報じられたり、人から言われて辞めるのは嫌なのでしょう。ましてや「石破降ろし」に躍起になっている裏金問題の中心にいた安部派の連中に言われたくない、という気持ちが本音なのでしょうね。

 内閣の支持率も過去最低(22%)。党内には石破首相に退陣を求める声が上がっており(逆に「石破辞めるな!」のデモも)、「石破降ろし」の退陣論がますます強まるのだろうとは思いましたが、「じゃあ誰がやるの?誰が火中の栗を拾うの?」という疑問も同時に湧いてきます。今自民党の総裁になったからといって、少数与党ですから総理大臣になれるかどうかも分かりません。これからも少数で議会、国会で運営できるのかとなると、辞めるべきだとはみんな言うけれど、じゃあ誰が?と言うとなかなかそれが具体的に出てこないのが現実ではないかと思います。ところがあろうことか、石破内閣の支持率がじわじわと向上し始めました(35.4%)。「辞任すべきだ」は40.0%で、「辞任は必要ない」は57.5%と盛り返していました(共同通信社調査)。

 広島平和記念式典での石破総理の式辞を聞かれましたか?内容はいいことを言ってはいるのですが、いかんせん官僚の作った(?)作文をひたすら下を向いて棒読みするだけで、これでは聞いている人に感動は伝わりません。一方、「平和への誓い」の小学生代表の二人は前を見て堂々と語っていました。よほど練習して原稿は完全に自分のものとして暗記していたのでしょうね。こちらの方がよほど胸を打ちます。政治家はなぜこんな簡単なことすら分からないのでしょうね。

 9月7日(日)石破首相は党総裁を辞任し退陣することを表明しました。「引きずり降ろされた」感じですね。続投への強い意欲を示してきましたが、党内の「石破おろし」が加速し、このまま9月8日の臨時総裁選の要求の意思確認に進んでは、党内に決定的な亀裂・分断を生みかねないとして、党内分裂を避けるための退陣でした。就任342日。1年持ちませんでしたね。保身のために大義のない解散に走ろうとしたり、裏金問題の中心にあった旧安部派が「石破おろし」で主導的役割を担い、閣僚・副大臣・政務官が職を辞することなく倒閣に走り、失政・失言で辞任したばかりの前󠄂農林水産相が党のコメ政策の委員会トップに就くなど、最低限のけじめすら失われてしまったのが今の自民党です。信頼の回復などあり得ないでしょう。♥♥♥

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死力をしぼる

 私が大好きなエッセイストに櫻木健古(さくらぎたけふる)さんという方がおられます。数年前󠄂に彼の本をまとめてむさぼり読んだ時期がありました。今では著書は全て絶版になっており読む人はあまりいないと思います。新聞記者として活躍した経験を活かして、様々な局面で見せた当時の上司の指導力、統率力等を分析しつつ、部下の立場から見たリーダーのあるべき姿を説き明かした本『強いリーダーの条件』(PHP文庫、1987年)があります。教員生活の後、中日新聞社に入社し、福井支局と外信部に勤務、韓国と西ドイツの特派員を歴任し、意を決して著述に専念すべく退社を決意されました。

 櫻木さんがその時体験したささやかな例が、上記の本に出ていました。著述に専念しようとして、新聞社を辞めたものの、こと志と違って、書くもの書くもの、何一つとして出版社が採用してくれません。これが三年ほども続くと、さすがにへこたれてきて、再就職の考えさえもが、脳裡をかすめるまでになっていました。

 かなり追いつめられた心境にあった、そんな頃のある日、仕事机の上で一匹のハエが、ひっくり返ってジタバタしていました。飛び立とうとするのですが、もうその力が残ってないらしく、あお向けのまま、ただむなしく回転するだけでした。やがて、その努力をさえやめてしまいました。おそらく、死期が近いのに違いありません。すこし残酷とは思いましたが、ある可能性を期待して、ハエに蚊取線香の火をブーツと近づけていきました。

 はたせるかな、アワヤというところで、ハエは勢いよく飛び立ち、怒り狂ったように部屋のなかを飛び回り始めました。“さいごの力”をふりしぼったのでしょう。「そうだ、これだ!」櫻木さんは手を打ちます。「死力をふりしぼれば、できないはずのことができる。おまえも、もういちど卜ライしてみろ。“さいごの力”を出しきって、やってみよ」 「もう一度だけ」を誓って、櫻木さんは新たな稿を起こしました。「もし、これもまた失敗するなら、永久に著述のペンは持たぬ」と固く決意して。すると紹介状もなしに持ちこんだ出版社に、採用されたばかりか、凖ベストセラーというほどの売れゆきを示しました。衰えた一匹のハエに、ギリギリの“気力”というものを教えられて、ひとつの出発をなすことができたのでした。人間は死ぬ気になって力を振り絞れば、どんなことでもできる、ということを示すいい例だと思います。♥♥♥

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AI Scraping War

 ChatGPT を始めとする生成 AI」 が社会全体に大きな衝撃を与えている中で、今「AI Scraping War」(AIデータ収集戦争)が勃発しています。war の部分を、battlefight などに置き換える場合もあります。インターネット上の情報を大量収集して利用する AI 企業に対し、その情報・コンテンツの所有者(ニュースを発行する会社や個人、芸術家、ソーシャルメディアなど)が権利・利益の侵害を訴えて争う「戦争」を意味します。英語でscrape は「かき集める」という意味ですが、ここではAI が多様なコンテンツから大量のデータを収集して、「ただ乗り」でAI モデルを開発・進化させることを指しています。絵画、写真、映像、音楽などの作者やハリウッド映画会社が、AI企業が作品を無断でかき集めて(scrape)悪用しているとして、使用禁止と損害賠償の支払いを求めているのです。メディア企業は、コンテンツの使用に対する補償を求めて提訴したり、ライセンス契約を交わしたり、あるいはその両方を行ってきました。多くの企業は、AIボットがウェブサイトなどから情報を大量抽出する行為(scraping)を止めるよう丁重に要請しています。『ニューヨーク・タイムズ』紙は ChatGTPを保有するOpen AI社と出資元のマイクロソフトを相手取って、AIが無断で同紙の記事を利用しているのは著作権法違反であるとして、数10億ドルの損害賠償と共に、収集したデータの破棄を求めています。コンテンツを提供するメディアや出版社などは、新たなAIツール向けにコンテンツを収集するテクノロジー企業から、自社のウェブサイトを守る取り組みを強化しています。このように、AIモデルの開発を目的とするデータの大量収集行為について、AI企業とニュースを発行する会社・個人・ソ-シャルメディアや芸術家との間で増大している紛争を、英語で「AI Scraping War」と呼ぶのです。近年、ウェブ上には膨大な情報が集積されており、その中から必要な情報を自動的に抽出するテクニックとして「スクレイピング」(scraping)は広く知られています。しかし、この行為が利用規約や法律の観点から問題視されるケースも増えています。特にChatGPTのような自然言語生成AIを用いた場合、利用者は注意深く行動する必要があります。

 AI学習によるインターネット上の記事の「ただ乗り」を巡る著作権侵害の訴訟は、米国ではすでに40件以上が報告されていますが、日本でも初めて、読売新聞社」がインターネット上に公開されている記事を無断で使用したとして、米国の新興企業のAI事業者「パープレキシティ社」を相手取って約21億6,000万円の損害賠償などを求めて東京地裁に提訴しました。今後同種の動きが広がる可能性もあると感じていましたが、やはり案の定、日本経済新聞社」朝日新聞社」が、「パープレキシティ」に対して、記事の利用差し止めと損害賠償などを求める訴訟(44億円)を起こしています。

 スクレイピング自体は必ずしも違法ではありませんが、収集対象のウェブサイトが明示的に禁止している場合や、著作権で保護されているコンテンツを無断で収集する行為は、法的トラブルを招く可能性があります。例えば、多くのニュースサイトやデータベンダーは利用規約に「自動取得禁止」を含めており、そのルールに抵触すれば利用規約違反になり得ます。さらに、国や地域によってはデータ収集に関する固有の法規制が存在し、EUではGDPRが個人データの扱いに厳しい制約を課しています。

 例えば、ChatGPTを介して特定サイトの情報を無断で集積・要約し、それを商用に利用するとなれば、著作権侵害や規約違反につながるリスクがあります。また、API利用条件や外部ツールとの連携規約にも目を通すべきです。外部のスクレイピングツールとChatGPTのやり取りが規制されていたり、ChatGPTに渡すデータが利用ポリシー違反になる場合も考えられます。特に、ユーザー情報などの個人データを大量に抽出してAIモデルにフィードバックする行為は、データ保護法制上の問題を引き起こします。こうした禁止事項を避けるためには、ChatGPTへの入力データを厳選し、収集方法を工夫することが求められます。ウェブサイトの公的APIを利用して合法的なアクセスを行ったり、対象サイトで明示的に許可された形でのみデータを取得するなど、正当なプロセスを踏むことで、規約違反や法的問題を回避できます。今は報道機関が正当な対価を受け取る形で、AI事業者と提携する動きも見られます。IT大手のアマゾン・コムニューヨークタイムズと提携し、記事の使用料を支払うことで、同社のAIに記事を学習させることを、年間使用料少なくとも約30億円で契約しました。AP通信も2023年にオープンAIと過去の記事の提供を提携しています。

 ちなみに、ChatGPTのような生成AIは、莫大な開発費や使用電力やその維持に大金がかかることから、経営的にも苦境に立たされている、という報道もあります。♥♥♥

【補遺1】  アメリカではチャットGPTなど対話型生成AIに対する精神的依存を強め、自殺や殺人事件などに発展するケースが相次いでいます。カリフォルニア州では、16歳の息子が自殺したのはAIとの対話の影響があったとして、両親がオープンAIを提訴しました。報道によれば、AIとやりとりする中で、自殺の方法を助言し、遺書の下書きまで提供していたといいます。未成年の精神衛生への悪影響が懸念される中、親が利用状況を管理できる監視機能「ペアレンタルコントロール」の仕組みを取り入れ、対策を強化するとのことです。

【補遺2】  様々な生成AIが開発される中、AI(artificial intelligence)の複数形はどうなるのか?という疑問が湧いてきます。intelligence不可算名詞ですから、普通はsを付けるのではなく、toolsやmodelsやsystemsといった具体的な可算名詞を足すことで複数形を表現することができます。しかし最近では、AIsやaritificial intelligencesといった変則的な複数形を目にすることも増えてきました。今後の動向には注目です。♠♠♠

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リニューアルされた「ポートタワー」

 港町・神戸のシンボルでありランドマークの「神戸ポートタワー」。耐震・改修工事のためしばらく休業していましたが、2024年4月26日、リニューアルオープンしました。屋上のオープンエアデッキや、ギャラリー、カフェ・レストラン、ショップなど、神戸を感じられる面白いモノ・楽しいコトが詰まった、新しい「神戸ポートタワー」は見どころが満載です。何度もここを訪れている私ですが、リニューアルしてからは初めての訪問です。今回は、リニューアルの目玉である「屋上デッキ」を中心に、「展望フロア」「低層フロア」に分かれるタワーを楽しんできました。

 「神戸ポートタワー」は1963年11月に開業しました。港湾地域活性化の願いが込められた観光タワーは、その特徴的な鼓型の形状と港に映える美しい色彩で、地元の人々だけでなく、多くの旅行者からも愛されてきました。まるで楽器の鼓を縦に伸ばしたようなスタイリッシュな外観は、世界最初のパイプ構造で「鉄塔の美女」と称され、神戸のシンボルとして街を見守ってきました。1995年に発生した「阪神・淡路大震災」を耐え抜き、復興のシンボルにもなった「神戸ポートタワー」。2014年には「国登録有形文化財」(建造物)に登録されています。

 開業から60年の節目を前に、2021年から耐震・改修工事のため白い幕がかけられていましたが、2023年12月、ついに点灯式でその姿を披露し、再び神戸の街を温かく照らしはじめました。生まれ変わった「神戸ポートタワー」のコンセプトは「Brilliance-赫き-(かがやき)」「神戸ポートタワー」の赤色と、神戸の街や市民を優しく照らし続ける姿を表現する言葉として選ばれました。リニューアルのプロデュースを手掛けたのは「フェリシモ チョコレートミュージアム」(⇒私の訪問記はコチラ)でお馴染みの株式会社フェリシモ「長きにわたって神戸の街を照らし、市民の心の灯火となっているタワーをもっと輝かせたい。そして、ここに訪れた人の心や表情もますます輝きを増すような場所にしたいという思いを込めています」と担当者は話します。

▲私の定宿「ホテルオークラ神戸」

 今回のリニューアルの目玉はなんと言ってもこれまで立ち入ることのできなかった屋上に新設されたオープンエアーの屋上デッキ「空中回廊」でしょう。ティアラに見立てたガラス張りの「空中回廊」。100mの高さから神戸の海、山、空、街並みを360°見渡せるぐるりとガラスに囲まれたデッキでは、心地よい海風を浴びながら、神戸の景色を心ゆくまで味わえます。ガラスには「BE KOBE」の文字が浮かび上がる特殊な仕掛けもしてあります。5階の展望デッキまでエレベーターで上がり、そこから階段で上っていきます。「怖い!」高所恐怖症の私はすぐに降りてしまいました〔笑〕。「PORT OF KOBE」のネオン看板の上で神戸のすべてを見渡せる、抜群の眺望スポットとして人気が出そうです。

 エレベーターの終着フロアには、「室内展望エリア」が広がります。眺望を楽しむのはもちろん、「フォトブース」が設置されているのでタワーを訪れた記念に思い出の一枚を撮影することができます。「神戸弁」の可愛らしい赤い撮影用メッセージプレート(写真上)がたくさん用意されていました。回廊の床はところどころがガラス張りになっていて下を見下ろすことができます。「怖い!」

 展望4F は光のアートに包まれる「Brilliance Museum」「赫き(かがやき)」をテーマにした光の作品が展示されるエリアです。あえて外が見えないようにデザインした真っ暗な4階には、光をテーマにした作品を展示。宝塚の電子工作グループ「ヅカデン」や芸術系大学とコラボした数々のネオンアート作品や映像には、「あっ」とおどろくような仕掛けもあるので探してみてください。“赫き”をリアルに体験したい人は必見のエリアです。

▲壁にやさしく触れると花火がドーンと打ち上がる!

 身体の動きに合わせて変化するインタラクティブアートも展示されています。壁に手を触れると花火が上がりました。絵をなぞると色がつく仕掛けにも驚きます。友達やカップルと、家族みんなで童心にかえって過ごせるミュージアム。撮影も可能なのが嬉しいポイントです!

 展望3Fは、 座ったまま360°の景色と食事を満喫できる「Ready go round」。全国で貴重になりつつある回転床を活かしたカフェ&バーで、約30分で1周し、移り変わる神戸の風景を眺めながら食事を楽しめます。

 展望3Fでは、「神戸ポートタワー」公式オリジナルグッズをゲットできる「Kobe Port Tower Shop by Felissimo」神戸ポートタワー」ファン必見のオリジナルグッズはこちらで入手することができます。壁一面に貼られたマグネットからお気に入りを探すのもお土産選びの楽しみです。売上の一部は神戸のウォーターフロントエリアの魅力向上と、若手アーティストの活動支援に寄付されます。2階のショップでは、ここでしか手に入らないオリジナルグッズがずらりと並んでいました。私は「BE KOBE」のトートバッグを購入です。

 展望1F は若いアーティストの赫き(かがやき)に触れる「Gallery360」。新進気鋭のアーティストを応援するギャラリーフロア。時期によって企画が変わります。。

 低層3F・4F 懐かしさと新しさが融合した「PORT TERRACE」。低層フロアは無料で入場できます。神戸の人気グルメスポット「KITANO CLUB ANNEX」「OCEAN PLACE」などを手掛けるクレ・ドゥ・レーブがプロデュースする、自然に恵まれた神戸の食文化を体験できるカフェ・レストラン&バー。

 3F屋内スペースのレストラン&カフェ。「神戸ポートタワー」が生まれた時代のシンプルでモダンな「ミッドセンチュリーデザイン」を取り入れつつ、神戸らしさを大切にした空間は、令和のトレンドとも絶妙に調和しています。どの席からも神戸の港を眺められるレイアウトとなっており、レトロな洋食やアフタヌーンティーを楽しむことができます。♥♥♥

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松江おさんぽルート~道しるべはマンホール!

 JR松江駅から松江テルサ前を出発して、道路上にあるマンホールをたどっていくと、やがて到着するのは松江市のシンボル・国宝松江城です。JR松江駅前から市内の天神町商店街、松江大橋を渡り、京店商店街などの観光スポットを経て、松江城にたどり着く、「松江城をめざそう!水の都おさんぽルート」です。設定された「おさんぽルート」(下地図参照)の10箇所に設置した各デザインマンホールには、二次元バーコード(QRコード)が付いていて、それをスマートフォンホで読み取るとその周辺の観光情報が分かる仕組みです。観光誘客に、松江観光協会がイチオシする歴史的な街並みを散策できるマンホールです。おいしい食べ物や城下町の風情が残る街並み、美しい水辺の景色など、松江の魅力がギュッと詰まった約2kmの道のりを、順番にたどり楽しみながら歩いてみませんか。松江のイイトコが発見できる旅になります。♥♥♥

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『英単語は語源でニャンとかなる!』

 NHKテキスト『ラジオ英会話』の2022年4月号~2024年3月号に掲載されていた人気連載記事「英単語は語源でニャンとかなる!」が単行本になりました。単語学習の見方が変わる楽しい語源のストーリーや、さまざまな単語を覚えるのに役立つ基本の語源を、かわいいネコちゃんがゆる~く紹介する、『マンガ 英単語は語源でニャンとかなる!』(NHK出版、1540円)です。 英語学習でどうしても避けられないのが英単語の学習です。私は英語の勉強の8割までは単語の勉強だと公言しています。生徒たちが一番苦労しているのも単語の暗記です。語彙を増やしたいけれど、単語の暗記が難しい……そんな声をよく聞きます。丸暗記、単語集、教科書、アプリや参考書、手作りの単語帳など、英単語の覚え方はさまざまですが、どんなやり方でも記憶の定着に役立つのが「語源」の知識です。英単語を語源というパーツに分けて学ぶと、語彙が効率よく増えるだけでなく、単語のイメージや関連する雑学も自然と身につきます。私は授業の中で、アタマ(接頭辞)、オナカ(語幹)、シッポ(接頭辞)を利用して単語学習を進めています。竹岡広信『LEAP』(改訂版、2024年、数研出版)と、清水建二『英単語の語源図鑑』(かんき出版、2018年)の二つを生徒達に使ってもらっています。

▲八幡の語源教材(自費出版)

 本書では、さまざまな単語を覚えるのに役立つ基本の語源を、かわいいネコがゆる~く紹介。気楽に読めて、単語学習がグーンと加速する語源エンターテインメントマンガです。メリットは次の通り。

【語源を学ぶメリット】

・単語を丸暗記に頼らず、納得しながら楽しく覚えることができます。

・単語が意味のある語源の組み合わせで理解でき、覚えやすくなります。

・知らない単語に出会っても、類推から語源で意味が分かるようになります。

 本書では、かわいいネコのキャラクターが、語源を学ぶことの面白さや意味、単語学習の見方が変わる楽しい語源のストーリーや、さまざまな単語を覚えるのに役立つ基本の語源をゆるっと紹介しています。マンガ形式なので、楽しみながら読んでいるだけで、単語学習を一気に加速させることができます。語源による背景知識から身につけた単語は納得感があり、忘れにくく、別の知らない単語と出会った時でも、すでに覚えた単語からその意味を推測できるようにもなり効果抜群なのです。

また、随所に「おさらいクイズ」を収載しているので、しっかりと頭を使いながら復習すれば、語源の知識を定着させることもできます。後半には「辞書の引き方」も紹介されています。

 NHK「ラジオ英会話」講師の大西泰斗先生も、「英語力を上げたければ、まずは英語と友達になろう!」と、本書を推薦しておられます。本書で一生モノの語源の知識を楽しく学びましょう。原作者の角掛拓未(かどかけたくみ)さんは、2009年から語源で楽しく学ためのウェブサイト「Gogengo!」(⇒コチラです)を運営しておられますので、ぜひのぞいてみてください。♥♥♥

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蒜山ショコラ

◎週末はグルメ情報!!今週はチョコレート

 JR岡山駅の新幹線改札口を入ったところにある「おみやげ街道」で、「自分へのご褒美」と大量に陳列してあるチョコレートの看板が目に留まりました。ここで新製品「イチオシ商品です」とあった「岡山産雲海ピオーネとせとうち産オレンジの塩キャラメルチョコレート」(1,026円)を買って新幹線の中で食べてみたところ、実に美味しい!!神戸のホテルで食べきってしまいましたので、帰りにもまた買い求めました。他にもいろいろな種類の蒜山(ひるぜん)ショコラが山積みしてありました。

 蒜山ショコラは、クリーミーなチョコレートの上に、せとうち産のドライフルーツや岡山産素材を散りばめた贅沢なショコラバーです。チョコレートの製造を行っているのはヒルゼンミルキー株式会社。蒜山三座の雄大な山並みと緑豊かな高原が広がる、岡山県真庭市蒜山(ひるぜん)に工場を構えています。ベースとなるチョコレートとトッピングの組み合わせは、果物など素材そのものが持つ味や香りと向き合いながら、何度も試作を重ねてたどり着いたもの。使用しているドライフルーツは、岡山県内をはじめとするせとうちエリアで育てられた季節の果物を丁寧に乾燥し、旬の美味しさをとじこめました。クリーミーなチョコレートと甘酸っぱく味わい豊かなドライフルーツとの組み合わせを楽しむことができます。

 JR西日本岡山支社・ジェイアールサービスネット岡山では、ふるさとおこしプロジェクトの一環として、地域の企業や生産者と協働し、商品開発を行う「JR PREMIUM SELECT SETOUCHI」シリーズを企画・販売しています。 蒜山ショコラ、今年の新作!塩キャラメルチョコレートに岡山産雲海ピオーネとせとうち産オレンジを散りばめ、ジューシーなベリーをトッピングしました(写真上)。2018年に販売開始以来、大人気となった「蒜山ショコラ」。今年は新たに「岡山産雲海ピオーネとせとうち産オレンジの塩キャラメルチョコレート」の1種類を加え、計6種類の販売を開始しました。今回の「岡山産雲海ピオーネとせとうち産オレンジの塩キャラメルチョコレート」は、岡山県高梁市産の「雲海ピオーネ」とせとうち産オレンジのドライフルーツ、岡山県の海水のみでつくられた「塩田王 野﨑家の塩」を使用した、「蒜山ショコラ」としては初めての塩キャラメルベースのチョコレートです。「塩田王 野崎家の塩」は、「倉敷小島塩結びプロジェクト」により誕生した、にがり成分がさまざまな食材のおいしさを引き立てる食塩です。2024年の「ふるさとあっ晴れ認定委員会」において「うめぇもん」として認定されています。塩キャラメルチョコレートとせとうち産のドライフルーツの美味しさを堪能することができます。これ、実に美味しかった。また買いに行きます!♥♥♥

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東洋の古典

 最新刊の渡部昇一・編『読めば人間力が高まる東洋古典の名言366を1冊にまとめてみた』(致知出版、定価2,200円、2025年8月)を読みました。本書は、かつて平成20年3月に致知出版から刊行された『四書五経一日一言』を改題、再編集し、新装版としたものです(写真)。今この時代に、本書を改めて世に問うことは、大きな意義があるように思います。『四書五経一日一言』は、儒教の重要な経典である「四書五経」から選ばれた366の言葉を、知の巨人・故・渡部昇一先生が実体験に基づいた解説を加えてまとめられた書籍です。この書籍は、日々の生活における指針や、人格形成、人生を豊かに生きるためのヒントを提供することを目的としています。「四書五経」とは 、儒教の経書の中で特に重要とされる「四書」「五経」の総称です。

  • 四書:『論語』、『大学』、『中庸』、『孟子』を指します。

  • 五経:『易経』、『書経』、『詩経』、『礼記』、『春秋』を指します。

これらの古典は、中国だけでなく日本や朝鮮でも広く学ばれてきました。この『四書五経一日一言』の特徴としては

◎日々の習慣に:366の言葉が収録されており、一日一言読むことで、古典の教えを日常生活に取り入れることができます。

◎分かりやすい解説渡部昇一先生による実体験に基づいた簡潔な解説が加えられており、古典に馴染みのない方でも理解しやすいように工夫されています。

◎人生のあらゆる場面で役立つ:多岐にわたる名言が、人生の様々な局面で力を与えてくれるとされています。

◎初心者にもおすすめ「四書五経」の要点を簡潔に理解できるため、古典の入門書としても適しています。

 編者である渡部昇一先生は、平成29年にご逝去されましたが、最後の最後まで日本と日本人の行く末を案じておられました。本書の「まえがき」では古典教育が「日本人の教養の背骨を成していた時代が数百年あり、その普遍的価値は今でも失われていない」と明記されています。この名著の再刊を通じて、故人の切なる思いが、次世代の読者へと託されるのは価値のあることです。偉大なる思想には、民族や国境や時代を超えた普遍性があるのです。孔子の教えを中心としてまとめられた書物の集積「四書五経」。中国古典でありながら、古来日本人が、人格を形成し人生を豊かに生きるヒントを得てきました。

 本書は膨大な東洋古典の名著四書五経」の中より、編者の渡部先生が、自らの生きる糧としてきた言葉を厳選し、実体験に基づく簡単な解説を加えたものです。名言に救われ人生を切り開いてきた先生の率直な表現が、古典の面白さ・エネルギーを伝えてくれます。「朋あり遠方より来たる、亦た楽しからずや」「至誠は神の如し」「富は屋を潤し、徳は身を潤す」「往く者は追わず、来たる者は拒まず」など、多岐にわたる366語が人生のあらゆる場面に力を与えてくれます。時代を経た名言の数々で心を洗う、一日一言の良い習慣をつけたいものです。本書でも指摘されているように、東洋古典には「人を造る力がある」のです。その魅力を一冊に凝縮した本書に触れることは、教養が身に付くだけでなく、人間力を高めることにも繋がるに違いありません。また、本書は「礼儀を重んじる」「志を立てる」「中庸を心がける」など、分かりやすく章立てされている点も読みやすく大きな魅力となっています。日本人としての教養の「背骨」を作るための必読書とも言えるでしょう。偉大なる思想には、民族や国境や時代を超えた普遍性があることを、説得力を持って伝えてくれる本です。♥♥♥

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