「模範解答」

 以前に、リッツ・カールトン・ホテル高野 登(たかののぼる)さんのお話で、99℃と100℃では大きな違いであることを話題にしました。⇒コチラです  両者はたった1度違うだけです。しかしこの1度の差が大きな違いを生み出します。どちらも熱いに変わりはないのですが、99℃でやめてしまったら、何も起きません。100℃になって初めて、いろいろと違う世界が生まれてきます。100℃に達すると沸騰を始め、沸騰した水は蒸気になって、蒸気機関をも動かす大きな力となるのです。成功しようと思ったら、99℃でやめるな、この100℃を超えろ、と生徒たちには言っています。

 最近、2学期の中間試験が終わりまして、答案を返却する際に「模範解答」も一緒に配布しました。解答が書いてあるだけです。生徒たちはそれを見て、自分の答案を直して終わり。私は今までずっと「模範解答」を作る際には(定期考査、課題テスト、校内模試、業者模試を問わず)、採点した際に間違いの多かった問題が一目で分かるように工夫し(★★、★印)、そして横に典型的な誤答を添えて、簡単なコメントを付けて、生徒たちに注意喚起を図っていました。ほんのちょっとした手間の差なんですが、この姿勢で3年間ずっと指導していくと、大きな違いを生み出すんです。私は「答案返却」の際には、平均点、得点分布だけでなく、特徴的な傾向、そして間違いの多かった問題の解説に1時間を費やしていました。解答を配って終わりと、少しばかり答案に踏み込んで解説を加えるのは、ちょうど99℃と100℃の違いのようなものであると感じています。でもこのほんのわずかな一手間が重要だと思ってやってきました。私の以前の定期考査の「模範解答」の一例を「ダウンロードサイト」に登録しておきました。⇒コチラです

 採点をする時に、生徒たちの大半が間違える問題にはちゃんとそれなりの理由があります。それを考えながら採点する。そして注意喚起を図る。それを長年続けていくと、生徒たちがどこで間違えるか?が手に取るように分かるようになります。以前に、北高の元ALT・ナディーン・ライト先生が、生徒の英作文の採点をする際に、数多くの生徒たちに共通する間違い英語表現をメモしてくれていたので、一緒に「日本の高校生の間違いやすい英語」という、高校生が陥りやすい誤り表現リストを作成しました。⇒コチラで全文を読むことが出来ます  当然のことながらこの知識・体験は問題作りに生かすことができます。試験の平均点をいかようにも調整することができます。校内模試」を校内平均40点/100点になるように作成する際には、予め問題作成の時に、各設問ごとに上位層と下位層の点数を予測し、全体がきちんとその近辺に収まるように電卓を入れながら調整していたものです。今はそういうことのできる教員が非常に少なくなりました。作りっぱなしで、ひどい結果になっても反省が生かされません。そもそも全体の平均点をコントロールしようという意識が希薄です。教員は問題作成で力がついていくんです。それを疎かにしていては、生徒の力も絶対につかない、というのが私の長年の持論です。模範解答」を見ながら、そんなことを考えていました。

 答案返却についても、思い出があります。私が若い頃に鍛えていただいた松江南高校・英語科では(ここで先輩の先生方にいろいろと教えていただいたことが、その後の教員人生に大きく影響しました。感謝あるのみです)、定期考査だろうが課題テストだろうが、実施日の次の時間には絶対に返却していました。当時は学年団による回し採点で、一人が遅いとみんなに迷惑がかかるので、結構苦しかったんですが、尊敬する先輩の先生からは、生徒はこの試験のためにものすごい勉強をして臨んでいるのだから、我々教員もそれに応えて早く採点をして返却してやらねばならない。「鉄は熱いうちに打て」で、記憶の新しいうちに反省を迫るのだ。1週間経ってから返しても生徒は全部忘れている!」と教えて貰いました。以来、そう思って、ずっと続けてきました。その気になればいくらでもできるんです。あるときなど、2時間目に終わった「課題テスト」を、6限の授業で返したときなどは、生徒は驚き呆れていましたが…。それを「忙しい…」と言い訳をして、1週間も投げておく、それでは力がつくわけもありません。尊敬していた故・渡部昇一先生も、「できない理由を探さない!」と言っておられました。私は今までそういう気持ちで教師を続けてきたように思います。❤❤❤

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「失敗」と書いて「成長」と読む

 標題の言葉は、私の大好きな野球評論家の野村克也(のむらかつや)さんが、数々の著書の中で書いておられる「野村語録」の一つで、私も気に入ってよく使わせてもらっています。昨日読んだばかりの、最新のご著書『短期決戦の勝ち方』(祥伝社新書、2018年10月) から引用してみましょう。

 どんなに強いチームであってもミスはする。問題は、ミスをした後の態度だ。弱いチーム、大事なところで勝ちを逃すチームには、ひとつの特徴がある。それは、ミスをしても笑ってごまかしてしまうことだ。万年Bクラス(4位、5位、最下位)に甘んじているチームは決まってそうだ。エラーをしてもアタマをかいて笑いながら、ベンチに戻ってくるような選手がいる。周囲の連中も笑って「ドンマイ、ドンマイ」だ。しかし、仮にもプロの選手であるなら、ミスや失敗は「恥ずかしいことである」と感じなければ失格である。恥ずかしいと感じるから、「二度とミスはしない」と思う。さらに「では、どうすれば失敗を回避できるか、自分の技術を改善し向上できるか」と考える。つまり、恥の意識が人を努力へと向かわせるのである。日頃から、こうした教えが徹底されているチームは強い。(pp.20-21)

 「勉強」も同じです。試験でミスすることは恥ずかしいことではありません。恥ずかしいのは、そのミスを放置して、再び同じ間違いを繰り返すことです。私がうるさく、テストは「見直して初めて力がつく!」と公言するのはそういうことなんです。このことは巣立っていった多くの卒業生たちが実感していることのようで、そういった言葉を後輩たちに残してくれています(「合格体験記」「あむーる」など)。力のつかない生徒たちの共通点がここにあります。「やりっ放し」なんです。野村さんがよく口にされる、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という、江戸時代後期の平戸藩主で剣の達人としても知られる松浦靜山(まつらせいざん)の言葉を思い起こしましょう。勝っても謙虚な気持ちを忘れずに、負けたら敗因を徹底的に究明する姿勢こそが大切です。

 今日は、9月に行われました「3年生進研・駿台共催マーク模試」「見直しプリント」「ダウンロードサイト」に登録しておきました。非常に簡単だったようで、高得点が続出の試験でした。私は長年こうやって、試験実施の翌日に、このプリントを配布して生徒たちに「見直し」を迫っているんです。

・「2018年3年生9月進研・駿台共催マーク模試」見直しプリント 島根県立松江北高等学校 八幡成人 ⇒コチラです

 模擬試験の基準日前の実施の学校には、業者が「解答・解説」冊子を送ってくれない、と聞きました(基準日を過ぎてから送ってくれる)。全国そこら中で不正を働くふらちな高校生が多い、ということの対策なんでしょうね。高得点を取らせたい一心で、事前に問題を見て、生徒たちに問題情報を漏洩する教師が存在するという実態もあると聞きます。島根県でも、県の高校入試の英語の問題作成者が、友人に漏らし、塾で事前に演習したという嘆かわしい事件が起こり大騒ぎになったことがあります。「人間教育」が必要ですね。♠♠♠

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「だんだん」

◎週末はグルメ情報です!!

 島根県庁に近い松江市片原町の堀川沿いに店を構える居酒屋が、「だんだん」です。だんだん」というのは、出雲弁で「ありがとう」という意味。かつてNHKの朝の連続ドラマ『だんだん』で、一躍有名になった出雲弁ですね。出 雲の神様の導きで偶然出会った双子姉妹の運命的な出会いが、家族やふるさとの人の輪に広がっていく「縁結びの物語」でした。元気一杯の双子姉妹マナカナ(三倉茉奈、佳奈)がヒロインを演じたこのドラマの松江ロケでは、松江北高4階&通学坂&グランドがロケ地に選ばれ、松江北高生30人がエキストラでテレビ出演しました。朝6時からの早朝ロケにもかかわらず、誰一人遅れることなくやって来て、撮影に協力しました。当時、総務部長だった私は、生徒部長の松田先生と一緒に、このドラマの撮影に関わり協力させていただきました。NHKからは「だんだん」と言って感謝され、打ち上げにも呼んでいただいたのはいい思い出です〔笑〕。余興のジャンケン大会では、豪華景品がかかっていたのですが、私は一回戦敗退でした〔笑〕。

 さてこちらの居酒屋「だんだん」で、いつもお世話になっている株)ラーンズの営業担当宮次博康さんと、豚しゃぶ」コースをいただいてきました。店内は落ち着いた雰囲気で、2階席からは「堀川」やライトアップされた「カラコロ工房」を見渡すことができるよい景色なんですが、現在痛みで左膝が曲がらないので座れない私は、1階のテーブル席でいただきました。ここは「ポテトサラダ」が目茶苦茶有名なんです。⇒私の紹介記事はコチラです  「ポテトサラダ」に関してはチョットうるさい私は、このお店がお気に入りで、追加注文していただきました。実は、このお店の一番人気メニューがこの「ポテトサラダ」なんです。その名も「ともだちのポテサラ」です。テレビで紹介されたこともあって、一躍人気となりました。東京にもお店があってファンは多いみたいですよ。円錐上に盛られたフォルムと、黄みがかった色相、がっつり振られている黒こしょう、白こしょうのインパクトに食欲をそそられますね。見た目は塩辛そうに見えるんですが、こしょうはあくまで香りづけで、食べてみると意外とまろやかな味で美味しいんです。たまごの風味がよく、もっちりとした「ポテトサラダ」です。ハムとジャガイモ、玉子のつぶしかたのバランスが絶妙。味付けも食材の風味を生かしたものです。胡椒がアクセントとなっていますね。今まで食べた「ポテトサラダ」の中でNo.1かNo.2といってもいいぐらいです。コース料理のメインは「豚しゃぶ」で、たらふくお肉をたいらげました。面白いことにお肉はいくら食べてもいいが、野菜は別料金ということでした。続いて、唐揚げ、〆のうどん、デザートを堪能しました。帰り途には、お気に入りの「珈琲館」で(八幡はいつもこの二階で堀川遊覧を眺めながら原稿を書いています)、コーヒーを飲んで別れました。❤❤❤

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権藤さんの意見

 『日本経済新聞』に、たまーに権藤 博(ごんどうひろし)さんの「悠々球論」という短いエッセイが掲載されるのを楽しみにしています。滅法面白い!9月13日のエッセイを読んで、「そうだ、そうだ!」と膝を打ちました。権藤さんと言えば、来る日も、来る日もマウンドに立ち続け、権藤、権藤、雨、権藤…』と言われ、流行語にもなりましたね。1961年、中日の新人投手だった権藤さんはひたすら投げまくり、35勝を挙げ最多勝、新人王、沢村賞、ベストナインなど賞を総なめにしました。翌年も30勝をマークしますが、登板過多は確実に彼の肩を疲弊させました。権藤さんを最後に、年間35勝以上の投手は出ていません。⇒私の権藤評はコチラ

 権藤さんが口を酸っぱくして言われるには、野球中継の最後の「ヒーローインタビュー」が面白くない。「みんながチャンスを作ってくれたので返そうと思った」「打者が点をとってくれたので、抑えようと思った」そんなこと改めて聞かなくても分かる当たり前のことですね。「ファンのみなさんの声援のおかげで打てました」声援で打てるくらいなら、簡単なことでしょう(もちろんファンの声援に感謝することは重要ですが)。そしてインタビューの最後はいつも判で押したように「応援よろしくお願いします」です。全く面白くない。「企業秘密まで話してくれとは言わないが、もっと技術に触れて欲しい」と権藤さんはおっしゃいます。チラッとでいいから技術を語ることで、やっぱりプロはすごいやと勝負の迫力を伝えて欲しいと。昔はすぐウソと分かる話をする選手もいて、それはそれで味があって面白かったと言い、小山正明投手や打者の例を引いておられました。全く同感です。紋切り型のコメントなど聞いていて面白くもありません。巨人の髙橋由伸監督の勝利監督インタビューなど、何の面白みも、ファンサービスの精神のかけらも感じられません(辞められるみたいですね。当然でしょう)。誰もが言わない権藤さんの鋭い指摘に感心したところです。確かに、権藤さんのテレビ解説は滅法面白い。「見ててご覧なさい。こうなりますから…」と予言すると、本当にそうなるので、流石ということになります。言われることが実にユニークです。今の野球解説者で面白いなあと感じさせてくれるのは、他に落合博満さんと野村克也さんぐらいでしょうか。要は、よく勉強しているから、自分の理論を持ち、人とは違った視点での野球の捉え方ができるんですね。当たり前のことをしゃべっても、それは解説とは呼びません。野村さんが解説者時代にどれだけ苦労して勉強されたかは、数々の著書から感じ取ることができます。プロのすごさをきちんと伝えることのできる解説が聞きたいな~。今朝も『日刊スポーツ』に載った権藤さんの完封勝利した阪神・藤浪評を面白く読みました。視点がやはり人と違います。♠♠♠

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「センター本」続々と採用!

 私の最新センター試験対策教材『2019年度英語センター対策本』(自費出版、200円)を、口コミで一括学年採用していただく学校が増えており、発送に嬉しい悲鳴をあげております。今週も233冊ご注文をいただき発送いたしました。ありがとうございます。2年前に出した親本『2017年英語センター対策本』(自費出版、800円)のエッセンスをギュッと詰め込んだコンパクト版です。両方をご希望になる学校もございます。せっかくですので、現在この「親本」をご注文いただいた学校には、コンパクト版も無料サービスで付けさせて頂いております。勉強の仕方・解法のコツ」を、最新の2018年本試験の問題を例にとって解説している小冊子です。20ページほどの薄~い冊子ですが、内容はどうしてどうして濃いものになっています。カラー印刷してありますので、見やすく分かりやすい構成と評判です。さらに特典として「発音・アクセント問題過去出題語(1990~2018年)」というカラー印刷リストを全員につけさせていただいており、これを音読することで、第1問「発音・アクセント問第」の完全な対策が可能になりました。別売のCD(300円)を1枚買って頂いて、収録された「MP3ファイル」をスマホ等にダウンロードしてコピーをして頂ければ、さらに強力な勉強が可能です。CDの中には、私が松江北高補習科で4月から演習を重ねてきた50枚の問題・解説プリントも収録されていますから、これを生徒たちに配布して自学あるいは解説することで、勉強の仕方」がさらに身につくことでしょう。私がかつて作りました英単語記憶本『英単語はアタマ・オナカ・シッポで攻略だ!』(現在品切れ)のPDFデータが、このCDには入っているので、ご注文いただいた先生方は喜んでいただいているようです。

 なかなか「これは!」というセンター教材がない中で、この冊子は重宝されているようです。反響はコチラコチラをご覧下さい。センター対策に苦労なさっておられる全国の先生方には、福音となる冊子であることは間違いのない自信作です。ぜひ手に取ってご検討ください。一人でも多くの生徒のみなさんにこの本を使って高得点を取っていただきたいと思い、「利他」の精神で心を込めて作りました。

 松江・米子・出雲に住んでいる生徒の皆さんは、今週から今井書店グループ」に置いてくださっていますので、そちらでお求め下さい。この本のために、今井書店で作って下さったポップがとても手が込んでいて素敵で、私は気に入っています。このポップのデータを今井書店より提供していただきました。⇒現物はコチラをご覧ください 今井書店には感謝の言葉もありません。この冊子も親本も在庫はたくさん持っておりますので、ご遠慮なくご照会ください。

 ちなみに今20冊以上ご注文いただいた先生方には、御礼にDVD英語は絶対に裏切らない!~英語センター二次試験参考データ集  Ver.3(下記写真参照)をお送りさせていただいております。センター・二次対策指導資料データ集」最新版(非売品)で、私の41年間にわたる長き教員生活で、特に松江北高で作りました417本の指導資料を惜しみなく収録しております。株)ラーンズさんが、私の研究会のために特別に作って下さいました。センター試験の「第1問~第6問」、「その他」、「リスニング」、「二次試験対策」、「模擬試験対策」、「特別オマケ」、「八幡最近の著作から」といったフォルダーに、該当する最新資料が収められており、先生方が日頃の指導にすぐに使っていただけるものばかりです。「417本って、どういった資料が収録されているんですか?」というご質問をいただきますが、「一覧表」にまとめてありますのでどうぞご覧下さい。⇒コチラです ❤❤

▲417本の指導資料が収録されたDVDデータ集 東京・土浦の研究会で大好評でした!

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副島隆彦なる人物

 副島隆彦(そえじまたかひこ)なる人物が、この度『傷だらけの人生~ダマされないで生き延びる知恵』(ベスト新書、9月)という本を出しました。今の若い英語の先生たちは知らない人も多いと思いますが、彼は代々木ゼミナール講師時代に「宝島事件」と世に呼ばれる「大騒動」を起こして、その後大学教授に転じた人物です。当時は、英語教育界で大騒ぎに発展しました。

 平成元年(1989年)10月26日付けの『朝日新聞』朝刊に、「日本でいちばん売れている英和辞典はダメ辞典だ!」という極めて挑発的な文言と共に、副島隆彦&Dictionary-Busters著『欠陥英和辞典の研究』(JICC出版局)の大々的な宣伝が掲載されました。対象となった辞典は、研究社発刊の『新英和中辞典』(1985年、第5版)『ライトハウス英和辞典』(1984年、初版)の2冊でした。新聞広告では、研究社の辞書2冊の外箱が、ビリビリに破られ、押し潰されて、両辞典から引き裂かれた何十頁分もの頁と共に、まるでゴミ屑のように打ち捨てられた衝撃的なものでした(上写真左)。私の母はこの広告を見た途端に卒倒しました。可愛い子供(私!)が全精力を傾注して長年取り組んで、その苦労を目の当たりに見てきた作品を、このように罵倒されたのですから無理もありません。副島氏はさらに、『英和辞書大論争!』(別冊「宝島」113号;1990年6月)を出版し、こんどの表紙には、「タダの予備校講師・副島隆彦が天下の研究社をノックアウト!『欠陥英和辞典の研究』の批判に耐えきれず、研究社は卑怯にも裁判所へ駆け込んだ。あれからいったいどうなった?と思っているあなたへ」という、再び過激で挑発的な字句が並んでおり、研究社の2辞典の写真には、今回はしめ縄まで張ってある〔笑〕という異常なものでした(上写真右)。

 2著とも私たち編著者を「バカ、アホ、マヌケ」「恥も外聞のないマヌケ集団」呼ばわりして、読むに耐えない極めて不快な文章でした。もちろん辞典には完全なものはありません。私たちの『ライトハウス英和』にも誤り、不適切な項目も中には含まれているのも事実です。しかしそれを建設的、共栄的に指摘して少しでも良いものにしていこうという姿勢の批判なら喜んで耳を傾けるのですが(いい指摘もあった)、そうではありません。面白オカシク揚げ足を取って、一方的に見下してこき下ろすというものでした。その人間性・言葉遣いには不快感しか感じませんでした。さらに、見当違いの誤り・批判も数多く含まれており、ちゃんとした専門家が見れば、彼の破壊的な姿勢には大きな誤りが含まれていることは自明でありました(例えば山岸勝榮教授は、いち早くその点を正していただきました)。しかしながら、信念・良心のかけらもないマスコミは、この話題にすぐ飛びつき、彼を持ち上げ、はやし立て、面白オカシクねつ造報道を繰り返したのでありました。

 研究社は当然のことながら、すみやかに「名誉毀損、悪質な営業妨害」として、著者の副島隆彦氏と出版元の宝島社を東京地裁に提訴しました。私も詳細に彼の多数の誤謬・謬見を分析して資料を提出したものです。それから長い年月を経た1996年(平成8年)2月28日に、東京高裁の控訴審判決が下りて、「権威への挑戦として許される過激さ、誇張の域を越え、公正な論評としての域を逸脱するもの」と述べ、名誉毀損に当たるとして、『欠陥英和辞典の研究』の出版元である宝島社に400万円の支払いを命じました。宝島社らは高裁判決については上告せず、判決が確定したのでした。これが「宝島事件」の全容です。残念ながら、あれだけ面白オカシクちゃかしてねつ造報道を繰り返した新聞・週刊誌は、この結末をきちんと報道することはありませんでした。謝罪もありません。マスコミの姿勢とはこんなものか、信念のかけらもないのかと憤慨したのを覚えています。学問の世界は「言ったもん勝ち」にしてはなりません。判決文を挙げておきます。

 学術上の論争と言えども相当の節度及び公正さが要求されることは論を待たない。(中略)特に辞書においては本両辞典(ライトハウス英和と英和中辞典の2冊を指す)を含めて、通常の場合相当の業績を有する学者が編者となり、多数の執筆者及び校閲者が関与し、何万語の見出し語とそれに対する語義、用法指示、例文など、他の辞書や文献等を参照しながら選別記述した学術的労作である。このような対象を批判するにあたってはその表現方法や表現内容についてもそれなりの節度を要求してしかるべきである。以上のような諸事情を総合考慮すると、編集方針など批判する右部分における本主張の記載は、権威の批判の挑戦として許される過激さ、誇張の域をはるかに超え、前提として指摘する事実の一部に真実であると認められるものはあっても、全体として公正な論評としての域を逸脱するものであると言わざるを得ない。

 その副島氏は、その後経済学の大学教授とやらに転身し(!)、相変わらずマスコミ受けする言動や著書で世間を賑わせているようでした。私は、以来一切この人の著書に関わることはありませんでした。最近、その彼が初めて書いた「実用書」として、今井書店に並んでいましたので、思わず手に取って買ってしまいました。タイトルから、もしかしたらあの時の事に言及・反省の弁を述べているかもしれないと思ったからでした。私は、何か偉い先生が、高みに立って、偉そうに「拙者が皆の衆に教えて進ぜよう」という本はもう書きたくない、と思うようになった。今は、「上から目線で何か言う」のが、一番嫌われる時代だ。もうひとつ、「お前が、それを言うな」、「お前にだけは、言われたくない」というコトバがあって国民によく使われている。私はこのことを察知して知っている。ということは、私のような爺が、上から目線で、偉そうなことを書いてはいけない、となる。それで、私はハタと困った。それなのに、自分から言い出して、この新書を丸々一冊、実用書を書かなければいけない。しかも、これまでに私が書いてきたものとは違う、何か新しいことを書かなければいけない。私は、この3ヶ月間、七転八倒して苦しんだ。そして出来たのが、この本だ。私はもう、ムズかしいことを書きたくない。威張りたくないんだ。偉そうなことは書きたくないんだ、もう、そんなのには飽きたんだ、とブツブツ言いながら、書いたのがこの本だ。脱「威張りん坊」という新しいアイデアでやってみた本である。」と「あとがき」に書きながら、相変わらずあの時のままのいやらしさでした。世の中は自分を中心に回っていて、他の人間は全部クズである、という魂胆が見え見えです。人間は変わらないんですね。銀行員時代や大学教授時代に嫌がらせを受けた「傷」はいやというほど書いてありましたが、あの予備校時代の「傷」には一切触れていませんでした(触れることが出来なかった?)。読みながらあの当時の不快感が蘇ってきました。

 そうそう、この本の中には、彼が信条として大切にしているという言葉・原理が紹介されていました。それは「いいことは悪いことだ。悪いことはいいことだ」「良いことが悪いことで、悪いことのほうが良いことだ」(pp.122-123)というものです。宝島事件」を思い起こしてこの言葉と照らし合わせてみると、いかに皮肉なことかがわかります。私自身は、「良いものは良い、悪いものは悪い」「ダメなものはダメ」という信念の持ち主ですから、両者が相容れないのは当然のことでしょう。♠♠♠

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「鳥取私塾の会」で講演

 9月25日(火)、米子国際ファミリープラザで行われた「鳥取私塾の会」9月定例会において講演をさせていただきました。実は9月6日松江北高に、同会幹事の白土茂幸先生(英会話タイムライフ学校長)遠藤卓也先生(成蹊塾)が訪ねて来られて依頼を受けました。遠藤先生が長年私のことを追いかけてくださっていたそうで、一度ぜひお話しを聞きたいとの有り難いお申し出でした。遠藤先生には、再び松江北高に講演資料を取りに来て頂きました。講演が終わってからも遠藤先生からは「長年の夢が叶い感無量です」とのお言葉をいただき嬉しく思いました。帰りましてからもメールでコメントをいただいております。ご参加いただいた先生方、ありがとうございました。

▲北高に依頼にみえた白土先生(左)と遠藤先生(右)

▲多くの先生から「今日の公演は本当に良かった」とか「ここ数年の公演の中で一番素晴らしかった」とか言って頂き、皆さん本当に喜んでおられました。

▲先生の講演の後、講演について会員同士で話し合いましたが、会員一人一人がとても満足していました。本当に有難う御座います。

▲当日は大変貴重なお話をありがとうございました。先生の教育への情熱を強く感じました。

 私の「紹介映像」を流した後で、いつものように「ダイスの透視」から本番スタートです。これは最近の私の講演の定番メニューとなっております。東京では大失敗をやらかしてしまいましたが、以降は寸分の狂いもなく演じております。実に不思議な現象ですが、「コツコツ正しい努力を積み重ねる」ことで、こんなに大きなことも出来るようになる、という私の持論の証明として演じさせてもらっています。今日もバッチリでした。弟子入りを希望する先生もおられましたよ〔笑〕。

 英語の先生も何人かいらっしゃましたが、それ以外の先生もおられましたので、英語の指導だけでなく、どうやったら「生徒の心に火を付ける」ことが出来るか、という点を中心にお話しさせていただきました。私の目標は「分かりやすい授業」ではなく、「ワクワクする授業」「生徒の心に火をつける授業」「もっとやってみようと思う授業」です。私が赴任した頃松江北高は、そんな精神で、「伸びる 伸ばす」をモットーにそれぞれが手を尽くしていました。

 講演でも述べましたが、私は学校ではできないことを、塾の先生方にサポートしてもらいたいと思っています。私がまだ若い時、松江南高校に勤めていた頃、指導内容のいい加減さは言うまでもなく、南高を批判したり、南高の先生方の悪口を並べたてて生徒募集をしておられた塾がありましたが、本来の姿ではありません。今でも信用しないことにしています。また、最近塾校舎の前に毎日だらしなく多くの自転車をぐちゃぐちゃに放置して、大道路にまではみだしている大手の塾などは、人間的に信用なりません。塾の先生方には、学校では手の行き届かない面にまで細かくフォローして頂くことで、お互いにWin-Winの関係になればよいと考えています。学校でいい加減な取り組みをして、塾に抱っこにおんぶという生徒たちをたくさん見ていますが、これでは伸びるはずもありません。私は点さえ取ればそれでよい、という教育には関わりたくありません。

 お話しをさせていただいた後で、会のご好意で私のセンター教材の即売会を行いました。『2019年度英語センター対策本』・『2017年英語センター対策本』・CD『発音・アクセント過去出題語』をたくさん買っていただきました。帰りましてからも数多く発送させていただいております。講演の中でご紹介した『英単語はアタマ・オナカ・シッポで攻略だ!』が好評で、ぜひ欲しいという先生が数名いらっしゃいましたが、コチラは残念ながら品切れで差し上げることができませんでした。でも上記のCDの中に本のデータはPDFで全部収録してありますので、プリントアウトして使って頂けたらと思います(昨日も東京の先生からこの本が欲しいとメールが届いておりました。昔作ったものを要望していただくのは嬉しいものです)。先生方と一緒に昼食をいただき、懐かしい昔話で盛り上がりました。最後に会場前で記念撮影をして、皆さんに送られてエレベーターに乗り込みました。ご参加いただいたみなさん、本当に有り難うございました。会のホームページにこの例会の報告が載っています。⇒コチラです  ところで、今日お話しさせていただいた3階の会場に「稲盛ホール」と名前がついていたのですが、私の尊敬する稲盛和夫先生と何か関係があるのでしょうか??❤❤❤

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